暁 〜小説投稿サイト〜
楽園の御業を使う者
CAST33
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「あー!白夜ちゃんだー!」

「わ、本物?」

「えーと…?」

何なのだろうかこの状況は。

夕食を終え、少し散歩しようかとエレベーターでロビーに降りると少女に駆け寄られた。

現代に於いてこの道━━魔法理論━━を歩む者ならば誰しもが聞いたことのある二人だ。

「七草の双子…?」

「あれ?ボク達の事知ってるの?」

「意外…でもありませんね」

双子の名前はは七草香澄、七草泉美。

七草家のお嬢様であり、乗積魔法のサンプルだ。

「はじめまして。私は質葉白夜と申します。
私は魔法理論をかじっておりまして貴女方の事は多少知っています」

「ふーん…」

………何だろう。七草嬢━━だと被るな。香澄さん、でいいか━━の顔から笑みが消えた。

「白夜ちゃん。一つ聞いてもいいですか?」

「なんでしょうか泉美さん」

「貴方も、私達をサンプルとしてあつかうのですか?」

ん? どういうこと?

「…つまり?」

「貴方も私達姉妹の体を狙いますか?」

「いやその話はおかしい。ここで待ち伏せてたのは君らだろう」

あ、つい素で答えちまった…。

もういいや。このままいっちゃえ。

「そも乗積魔法は歴とした『技能』だ。合わせようと思えばサイオンパターンは会わせられる」

ちょっとお手を拝借。

二人の手を握る。

"境界を操る程度の能力"

"心を読む程度の能力"

"無意識を操る程度の能力"

"狂気を操る程度の能力"

「フンユ フィーア ドライ ツヴァイ アインス
………………………ヌル」

0、と言ったタイミングでサイオンパターンを二人の物に『同調』させる。

「え…? あれ…? うそ…?」

「まさか…、そんな事が…」

彼女らは互いに同調する感覚を知っている。

そんな彼女らにとっては言葉で説明するよりもこっちの方が早い。

「それで、ロビーで俺を待ち伏せしていた理由くらいは吐いてくれるんだろうね?」

逃げようとする二人の手を離さず、ロビーのソファーで俺と向かい合うように座らせる。









二人の話を聞くと、何というか…ああ、彼女らって本当に姉が好きなんだな、と思った。

「要するに、どうやってあのメスタヌキに一泡ふかせたか聞きたいってこと?」

「お姉ちゃんはタヌキじゃない!」

いや、タヌキだからアレ。

「まー…君達がそう言うのなら俺はネタばらしするのもやぶさかではないけども…」

ワンピースのポケット━━正確にはポケットの中に開いたスキマ━━に手を突っ込み、飴玉二つと小瓶二つを取り出す。

「なんですかそれ?」

「この間メスタヌキに食わせ
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