第54話 母と子
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呟きながらルーテシアも手をまわした。
「暖かい………」
その暖かさを心から感じたのか、ルーテシアの目から涙が流れた。
「ごめんね…………もう絶対一人にしないから………ずっと一緒だから………」
「お母………さん………うわあああああん!!」
そこでルーテシアが泣いた。
恐らく、誰一人見たことがないと思う。
「今は二人っきりにしよう」
「そうだな………」
ゼストさんにそう言われ、二人以外の人間はその部屋を出ていった。
「さて、零治君、桐谷君、二人に別の話があるんだけど………」
「何?」
「実はね、セイン、ウェンディ、ノーヴェを学校に入れようと思ってるのだけど、桐谷君の家に居候させてもらえないか?」
さっきの感動的な場面をぶっ壊すような事を言い始めるスカさん。
「何故に!?て言うか戦闘機人を学校に行かせる必要ないだろ!」
フェリアの知能だって中学生じゃないのに…………
「いや、一回帰ってきてからまたあっちに行きたいってかなりごねてたからね。『チンク姉ばっかずるい!!』って」
まあ、確かにな…………
「さすがにこれ以上零治君の家だと限界だと思って桐谷君にお願いしたいのだけれど………」
そう言って桐谷を見るスカさん。
まあ確かにアイツらも夏休み終盤になってカレンダーを見て溜め息をついている場面を見たことがあったけど………
「はあ、分かりましたよ。いつもお世話になっていますし、こっちは構いません。後で加奈にも話しておきます」
「ありがとう、助かるよ」
セイン達も学校か……………
俺に被害がこなければいいけど……………
「それじゃあ、私達もウーノたちの所へ行こうか、みんなどうなってるか気になっているだろうし」
「そうだな、行こう」
「すまないが、俺は2人を待っているぞ」
「そうだね、アジトの案内役がいなければ迷うからね。騎士ゼスト、よろしく頼む」
スカさんがそう言って俺達はリビングへと向かった。
「そうなんだ、よかった………」
キャロが話を聞いて安心している。
他の皆も同様の反応みたいだ。
リビングに戻ってみると、皆静かにルーテシア達の事を待っていた。
いつも騒いでいるコイツらにはあり得ない光景だったが、それほどルーテシアの事を気にしていてくれているということで、俺はとても嬉しかった。
「さて、まだかかるみたいだし先にこっちの用件を済ますとしようか」
スカさんがそう言ってさっきの話を話始めた。
「話と言ってもセイン、ノーヴェ、ウェンディに話があるんだけど…………」
「えっ!?私達?」
「ウェンディ、何かしたろ………」
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