第54話 母と子
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つのまにか頭に手を当てていた…………
「何が本当の私だよ、誰かがお前を偽物だって言ったか?」
「レイ兄………」
「少なくとも俺達全員ルーの事を偽物なんて思っていないぜ。母親って存在はどんなものかは俺もイマイチ分からないけどな」
頭を撫でながら俺は優しくかたりかける。
「ルー、母親がどんなものか何てどうでもいい。お前はメガーヌさんに何をしてもらいたい?」
「私は………………」
しばらく考え込み、
「抱き締めてほしい」
そう答えた。
「そうか。それなら問題ないと思うぞ」
「そうかな……………」
そう呟き、ルーテシアはメガーヌさんをもう一度見る。
すると……………
「まぶたが動いた!!スカさん!!」
「分かってる、2人ともそこから離れて、」
スカさんにそう言われ、俺はルーテシアをつれて離れた。
ポットに溜まった液体が少しずつ抜け、すべて抜けると大きく咳き込んだ。
そこでポットの扉が開き、上半身が起き上がる。
「ここは………」
目を開けて周りを見渡すメガーヌさん。
「ゼスト………隊長?」
「メガーヌ…………」
いつもの渋い顔に笑みがこぼれる。
「私は一体……………!?ジェイル・スカリエッティ!」
スカさんの姿を見て、身構えようとするがどうにも思ったように体が動かないみたいだ。
「待て、今から詳しく説明する!」
そんな様子を見たゼストさんが慌てて説明を始めた…………
「そうですか、そんな事が………」
メガーヌさんをウーノさんが着替えさせ、用意した車イスに乗せてから説明を始めた。
「それじゃあ、クイントも…………」
「ああ…………」
悔しそうに唇を噛むメガーヌさん。
やはり思うことがあるみたいだ。
「私はこの寿命が尽きるまでにレジアスに真実を聞きに行こうと思ってる。たとえどんな答えが待っていようとも………」
「ゼスト隊長……………そのときは私も………」
「メガーヌ、君はダメだ。君は私みたいに一人ではないからな」
そう言ってゼストさんは俺を見る。
正しくは俺の後ろに隠れているルーテシアだが……………
「ルー………テシア?」
恐る恐る慣れない車イスを動かし、ルーテシアの元へ移動するメガーヌさん。
ルーテシアも自分からメガーヌさんの元へ向かう。
お互い距離を縮めていき、
「ルー!!」
思いっきり抱き締めた。
「…………苦しい」
「あっ、ごめんなさい」
慌てて力を抜くメガーヌさん。
「でもよかった、またこうして会えた」
そして、今度は優しく抱きしめる。
「お……母さん………?」
そう
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