第54話 母と子
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れぞれ答えるが、
「僕たちはダメなんですか!?」
すぐさまライが反論した。
他のみんなも同じみたいだ。
「ごめんなさい、メガーヌさんを処置している場所が狭い部屋なのよ。悪いけれど、待ってもらっていいかしら?」
そうウーノさんが説明すると流石にみんな何も言わなくなった。
「悪いな、俺たちが帰ってくるまで待っていてくれ」
俺達はそう言い残して、リビングを後にした………………
「済まないね、学校ももう少しっていう時に………」
「いいよ、こっちの方がずっと大事さ。…………それでメガーヌさんは?」
「処置はもう終わって、後は目覚めるだけなのだが……………」
そう言ってスカさんは部屋の奥を見る。
そこにはいくつものポットが並んでおり、真ん中にルーテシアを大人にしたようなきれいな女性がいる。
恐らく彼女がメガーヌさんだろう。
どうやらいつ目覚めるかまでは分からないみたいだ。
「おお、来ていたのか」
「こんにちはゼストさん」
「こんにちは」
「久しぶり、ゼスト…………」
「ああ、久しぶりだ」
軽く挨拶を済ませると、ゼストさんはルーテシアの所へやってくる。
「良かったな、やっと母親と会えるぞ」
ルーテシアの頭を撫でながらゼストさんは言うが、肝心のルーテシアの方は到って無関心だった。
「どうしたルー?」
「…………いきなりお母さんって言われても分からない………」
「そういえば、母親を見るのは今回で初めてか?」
「ううん、何回か見たことがある。けれど、この人が母親って言われても正直何も感じなかった………これっておかしいのかな?」
ルーテシアにそう言われ、俺は何も言えなくなってしまった。
俺の家にも母親と呼べる人は誰もいない。シャイデだって母親っていうよりは近所のおばちゃんだからな。
前の世界ではちゃんといたけど、それでもハッキリと考えたことがない。
俺にとって母親は居るもんだと思っていたから。
母親とは子を育てるもの?
人の心を教える人?
ルーテシアに母親って存在がどんなものか俺なんかが教えられない。
「本当に済まないね。私がこんな事をしなければ…………」
「スカさん…………」
うつむいて言うスカさん。
家族を大切にしてる今、昔自分がやっていた事に罪悪感を持ってるんだろうな……………
「お母さん…………」
ポットの側に行き、手をつけて優しく呼んだ。
「私はどうすればいい?お母さんって言われても分からないよ」
呼び掛けるように言う。
「お母さん、起きて教えて。母親って何?母親と一緒になれば私は本当の私になれる?」
そんなルーテシアを見て、俺はい
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