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空に星が輝く様に
447部分:第三十四話 夜空にあるものその十一
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第三十四話 夜空にあるものその十一

「恋人と友達」
「どちらも大事なんだね」
「恋人は一人」
 赤瀬のことに他ならない。まさに他ならぬである。
「友達は何人もだけれど」
「狭山君や津島さん」
「それと斉宮も」
 彼の名前は椎名の方から出した。
「あいつも。けれどつきぴーは最初の友達」
「最初で。しかも一番大切な」
「そう。第一の友達」
 まさにそれだというのだ。月美はだ。
「それだから」
「そうなんだね。だからそこまでね」
「大事。何があっても大切にしたい」
 椎名は話していく。その中でだった 
 また百貨店についてだ。彼女は話したのであった。
「百貨店も」
「西堀さんとよく一緒にいってるよね」
「中学校の頃から」
 行っているというのだ。そうしているというのである。
「そう。それで屋上のプラネタリウムも行って」
「そこにもまた行くよね」
「行く。いいかな」
「うん、いいよ」
 快く頷く赤瀬だった。これで話は決まりだった。
「それじゃあね」
「うん、そこで星を見たい」
「天文部だから」
「そう、だから」
 それでだというのだ。二人でだった。
 椎名は少なくとも二人で行くつもりだった。二人以外にないと思っていた。しかしだった。心の何処かふと思ってだ。赤瀬にこう述べた。
「ただ」
「ただ?」
「またそこで会う可能性もある」
 そのことも言うのだった。
「他の誰かと」
「神様が巡り合わせてくれてだね」
「そう。それで」
 それによってであるというのだ。
「そうなるかも」
「それは僕達にはわからない」
「うん。けれどそうなっても」
「いいんだね」
「いい。導きはそのまま受け入れる」
 椎名独特の考えだった。それを今赤瀬に話すのだった。
「そういうことだから」
「はじめて会う人かも知れないけれど」
「既に会っている人とも」
「また会ってそれで」
 どうなるかを。椎名は赤瀬と話をしながら考えてだ。話を続けていくのだった。
「別の一面がわかったりするから」
「別のね」
「人間は色々な顔があるから」
 今度出した言葉のキーワードはそれであった。顔であった。
「全部の顔は中々見えないから」
「中々なんだね」
「そう。顔は一つじゃない」
 椎名はまたこう話した。
「中には卑しい顔しか持っていない人間もいるけれど」
「ああ、そうだね」
 それを聞いてだ。赤瀬も頷く。頷きたくはないことだがそれでもだった。赤瀬は今は頷くしかなかった。そしてそれは椎名もだった。
 それでだ。椎名は言葉を曇らせて話すのだった。
「例えばあの長官」
「あの人だね」
「ああいう人間も中にはいる」
 ある人物の名前が出るとだ。赤瀬も頷く。椎名は言葉をさらに出していく。

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