04オカルト研究部
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
図書室前
室内で長々と会話すると迷惑になるので、一旦室外で話し合うシヨウ。
「我の故郷である冬守では、出雲の神を信奉しておったのだがな、最近になって朝廷を名乗る渡来人、現代の天皇家の祖先が我らの里にも降伏と朝貢を求めてきておるのじゃ」
本来、そんな馬鹿話を聞けば一笑に付して、医者に行くように勧めてから退散するのだが、惚れた弱みで聞き入っていた。
「そうなのか?」
「既に出雲の国は国譲り、数度の侵攻で滅ぼされ、信濃、諏訪にまで陣を引いて臨時政府を作っているそうなのじゃ、出雲大社の社にまで火を放たれ、神像も焼かれ泥の中に投げ打たれていると聞いておる」
先代天照の第二子、天穂日命が出雲攻略を命じられたが何故か従わず、続く天稚彦も「大国主命に篭絡され」侵攻に失敗していた。
大国主の娘に惚れて、大国主にも「心酔」して出雲に定住したとされているが、一対一で対決して一転攻勢、掘られてしまったり、水魚の交わりなんかしちゃったらしく、天照陣営は出雲侵攻に何度か失敗していた。
しかし、現在では「出雲攻略」などと検索してもモンストの攻略方法しか出て来ず、第二次大戦の艦船を検索しても、艦隊これくしょんの艦娘かアズールレーンしか出ないような弊害が広がって、グーグルまで汚染されている。
「是非、汝のような強い剣士に合力を願いたい」
四葉の前世、約3千年前の冬守の里に邪馬台国が侵攻しているので、故郷が風前の灯火であるのを伝え、合力を願うシヨウ。
「紀元前にどうやって行くんだ? それに、たった一人で軍勢に立ち向かうなんて無理だ」
一騎当千など夢物語でしかなく、長坂橋に一人立つ張飛が殿を務め、劉備の子を助けた趙雲や、大勢の避難民を逃がすなど不可能である。
曹操から「殺すには惜しい、弓を射かけるな」と指示されて逃がされた趙雲とは違い、橋で一人立ち塞がっても、即座に射殺される。
「都合良く、前世の汝が見付かるか、入れ替わりを受け入れられる、相性の良い者がおればのう?」
シヨウは、義理の兄のタキや、入れ替わりが可能な人物を頭の中で探し始めた。
「大昔の戦なのでな、全員が鉄砲を持った近代戦と違って、義経以前は馬鹿のように名乗りを上げ、一対一の力士、剣士の対戦が行われるのじゃ。相撲部員も欲しい所じゃな」
「柔なら心得がある」
哀れなほどに譲歩して、目の前の少女の役に立って、気を引いたり、報酬として恋愛の対象になろうとするタケル。
古代は男も女もデブ専と聞いたことがあるので、シヨウが相撲部のデブに恋するのを見たくなかった。
「大勢の剣士、優秀な力士を持っている陣営が勝ち、敗れた方は陣を引き、講和するのじゃ。もし我らの剣士が全員抜きをして勝てば、有利
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ