第三章
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「だからこれからもね」
「女神さんが言った相手をか」
「見てくれるかしら、それでいいから」
「わかった、それじゃあな。ただな」
ここでだ、電々犬はふと気付いたことがあった。それで女神に対してその気付いたことを尋ねたのだ。
「わしはあんたといつも会ってるな」
「ええ、今もね」
「いいのか?そうして」
こう女神に問うたのだ。
「わしが興味を持つとな」
「滅びるか衰えるわね」
「そうなるが」
「生憎私は神様だから」
笑ってだ、女神は電々犬に返した。
「しかも天照大神様を岩戸から出すのに貢献した位のね」
「力がある神様だからか」
「あんたに興味を持たれてもよ」
例えそうなってもというのだ。
「大丈夫よ」
「わしの力も効かぬか」
「じゃああんたがこの星に興味を持って」
例えばそうなってというのだ。
「そして興味をなくしてこの星がどうにかなるかしら」
「そう言われるとな」
電々犬もだった、流石に相手が大き過ぎるので。
「流石にな」
「そうでしょ、あんたでもね」
「力が及ばない相手がいてか」
「私もそうだから」
それ故にというのだ。
「大丈夫なのよ」
「そういうことか」
「そのことがわかったわね、じゃあね」
「そのことは安心してか」
「これからも興味を持って欲しい相手紹介するわね」
「そうしてくれ、しかしわしも難儀じゃな」
ふと自嘲を感じてだ、電々犬は煙管を吸いつつ呟いた。
「興味を持つ相手を好きに選べぬとは」
「難儀ね、けれどそれは仕方ないわ」
「わしがそうした力を持っているからか」
「そうよ。じゃあわかったらね」
「これからもか」
「私達が言う相手に興味を持ってね」
「何か天罰みたいになっておるな」
こうも思った電々犬だった。
「というかむしろ」
「そこから先は言わないで考えないでね」
笑ってだ、その先は止めた女神だった。そうして電々犬に今度興味を持って欲しい相手を紹介するのだった。
憑く相手 完
2018・8・19
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