第三章
[8]前話
「日本人だ、それなら」
「あの組織とですね」
「戦う、君とそしてポルトと共に」
「そう、僕達は一人じゃないんだ」
リズの横にポルトが現れた、そのうえで言ってきた。
「だからね」
「これからもよね」
「そうだよ、何があってもね」
「私達は一人じゃないし」
「それぞれ力がある、その力を合わせて戦っていこう」
教授はまたリズに言った。
「そうしていこう」
「はい、これからも」
リズも頷いて応えた、そしてだった。
次の任務のことが話されてからだ、トレーニングの後で。
夕食となったがここでリズは博士に笑って話した。
「今日の晩御飯ですが」
「ああ、もうそんな時間か」
「実は任務の後で食材買ってきたんですが」
「何を買ってきたのかな」
「お葱とお豆腐、糸蒟蒻に白菜にエノキです」
「何か全部」
「鮟鱇も買ってきました」
微笑んでだ、リズはこの食材もと話した。
「今日は鮟鱇鍋にしましょう」
「鮟鱇鍋だね」
「それを食べましょう」
「いいね、君は魚料理得意だしね」
「右手を使えますから」
右手を鋭利な包丁に変えての言葉だ、サイボーグになったリズはその右手を刃や銃に変えることが出来その力で戦っているのだ。
「ですから」
「そうだね、じゃあね」
「お鍋にお餅入れますか?」
リズは教授にこのことも尋ねた。
「そうしますか?」
「頼むよ。それで最後はおうどんにしようか」
「おうどんですか」
「冷蔵庫に冷凍うどんがあるから」
教授はリズにこのことも話した。
「それを使ってね」
「わかりました、じゃあ早速」
「晩御飯をだね」
「作ります」
リズは教授に朗らかな笑顔になって応えた、今の彼女の顔は普通の少女の顔だった。一度死線を彷徨い家族も失いサイボーグとなって組織やその関係者達と戦っている、しかし今の彼女の顔は本来の少女のものだった。
リズは後に組織を壊滅させてならず者国家が崩壊した時にその国に捉われていた弟と再開することが出来た、だがそのことはまだ先のことだ。この時のリズはまだ戦っていた。そうして多くの死闘と暗殺を繰り返し血の海の中にいた。自身と家族、そして日本の仇である者達との戦いの中に。
組織の正体と黒幕 完
2018・8・19
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