第二章
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「そうだね」
「はい、私も何人も殺してきました」
「作家なり大学教授なりね」
「そうでした」
「そして野党もね」
「あの国や組織に関係ある人が多い」
「そうだよ、残念だが我が国にはああした連中もいるんだ」
「ならず者国家と関係の深い組織と人達がいる」
「そして君の家族を殺しおそらく弟さんは」
教授はその目を鋭くさせてだ、リズに話した。
「死体はなかった、多分」
「組織に攫われていますか」
「そして最悪の場合は」
「あの国に」
「我々が戦っているのは組織だけじゃない」
教授の声は厳しかった、そのうえでの言葉だった。
「あの国もだよ」
「一国が相手ですか」
「経済規模は極めて小さい国だよ、最貧国と言ってもいい」
「けれど軍隊は」
「特殊部隊が多い」
つまり工作員が多いというのだ。
「核兵器に化学兵器の噂もある、とんでもない国だ」
「その国が私達の敵の黒幕ですね」
「そう、あの国とは政府自体が戦っていくことになる」
戦争には至らずとも外交でだ、そうなっていくというのだ。これまでもそうだったがこれからもというのだ。
「そして我々はだ」
「組織、その関係者達とですね」
「戦っていく、彼等とつながっているマスコミを軸として野党や裏業界や知識人達とね」
「わかりました、どうして私のお父さんとお母さんが殺されたか」
このことをだ、リズはあえて教授に言った。
「最初はわかりませんでした」
「どうして、だったね」
「家族旅行をしていただけなのに」
本当にその筈だった、幸せの絶頂にあった。
だがその時にだ、突然襲撃を受けた。その時は何故自分達がそうなったのか全くわからなかった。しかし今は。
わかった、それで教授に言うのだった。
「そうしたことがあったんですね」
「そう、彼等の手によるものだったんだ」
「そうですね、それじゃあ」
「これからも」
「彼等と戦っていこう」
「わかりました。お父さんとお母さんを殺したあの組織を許さないです」
「しかも彼等はあの国とつながってやがては日本を思い通りにしようとしている」
自分達の好きな様にだ、日本をしようとしているというのだ。
「日本をあの国の様にしようとしているのだろう」
「あんなとんでもない国にしようとしているんですね」
「革命か何かわからないがそれを起こしたうえでね」
「だから私は余計に負けられないですね」
「日本の為にもね、そして私も」
教授もだった。
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