444部分:第三十四話 夜空にあるものその八
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第三十四話 夜空にあるものその八
「私も一緒に」
「一緒に行きましょう」
こう返す先輩だった。
「そうしましょう」
「はい、わかりました」
笑顔で頷く星華だった。
「それじゃあ今度の日曜に」
「あの百貨店ってプラネタリウムだけじゃないしね」
「他にも色々なお店がありますしね」
「スポーツ用品店も充実してるし」
先輩はバスケ部員らしいことも話した。
「だからね」
「そうですよね。あそこのシューズってどれも安くてしかもいいのばかりで」
「八条スポーツのお店だから」
つまり系列会社の店を入れているのである。八条百貨店も八条スポーツも同じ八条グループの企業ということなのである。
「あそこはね」
「安くていいのが入るんですね」
「そうなの。そこも寄る?」
「はい」
笑顔で頷く星華だった。今は笑顔になっているのだ。
「それじゃあそこもお願いします」
「わかったわ。それじゃあね」
「帽子買いたいんで」
「帽子?」
「野球帽欲しいと思ってたんです」
それをだというのだ。
「あそこプロ野球の帽子もありますから」
「贔屓のチームは何処なの?」
「阪神です」
そこだとだ。素直に述べた。
「阪神ファンなんです」
「同じね。関西だから当たり前だけれど」
「ずっと阪神応援してます」
「それでその阪神帽をなのね」
「あの黒い」
復刻したユニフォームのそれであった。大人気のユニフォームの一つである。
「あの帽子欲しいんです」
「そうなの。じゃあそこにも寄ってね」
「すいません」
「私もそうするし」
彼女も寄りたいというのである。
「だからね」
「先輩は何を買われるんですか?」
「私はシューズよ」
バスケットボールのだ。それだというのである。
「それを買いたいの」
「シューズですか」
「そろそろ。底が危うくなってきたのよ」
つまり磨り減ってきたというのである。靴の下は必ず磨り減る、それは誰であろうともどうしようもないことであった。使えば減るものだからだ。
「だからね」
「それでなんですね」
「靴にも気をつけてね」
先輩はこのことも話してきた。
「それもね」
「ですよね。靴があってこそですから」
「そういうことだからね。いつも気をつけておいてね」
「わかりました」
星華の顔は今度は真面目なものになっていた。笑顔がこれまで通りにだ。その都度変わるようになっていた。戻ってきているのだった。
「それじゃあそれも」
「だから行きましょう」
「百貨店にですね」
「何かも食べて」
食べることも忘れなかった。それもだ。
「あそこ美味しいお店も多いし」
「一階のスナックランドなんかいいですよね」
星華はそこを話に出した。
「あそこなんかは」
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