443部分:第三十四話 夜空にあるものその七
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第三十四話 夜空にあるものその七
「なれるわよ」
「私がレギュラーになんですね」
「だって。貴女いつも頑張ってるから」
努力から話すのであった。
「それでバスケの技術も。体力もね」
「よくなってますか」
「最初の頃とは大違いよ」
そうだというのだった。先輩はだ。
「もう。一年の最初の頃なんて」
「そんなに酷かったですか」
「酷いというか至っていなかったわ」
こう星華に話すのだった。彼女自身にだ。
「そのレギュラーのレベルにね」
「そうなんですか」
「けれど。今度の風邪まで休んだことなかったじゃない」
「はい」
実はバスケを心から好きになっていたのだ。それで部活を休むことなくだ。ずっとやってこれたのである。好きこそというものであった。
「だからそれがね」
「いいんですか」
「継続は力なり」
今度の言葉はこれであった。
「毎日することがいいのよ」
「よく言われますけれど」
「そうよ。だからこれからも毎日練習したら」
「レギュラーに。私が」
「なれるわ。だからまた頑張ってね」
「はい」
先輩のその言葉に頷く。表情は少し明るくなった。
そして先輩はだ。少しだけ明るくなった星華にだ。こんなことを言ってきた。
「俯いているけれど」
「あっ、すいません」
「謝らなくていいわ」
それはいいというのだった。
「けれどね」
「けれど?」
「顔。上げて」
そうしろというのだった。
「顔をね。それでお空見て」
「お空をですか」
「お昼のお空は青いけれど」
夜の今の空は。続けられる言葉は今は言葉として実際には出されていない。だが先輩は同時にそのことも星華に話すのであった。
「夜のお空もね」
「夜のお空も」
「奇麗よ。ほら見て」
こう言って夜空を見上げるとであった。そこには。
星達があった。無数の星達が煌いている。先輩は星華と共にその夜空を見ながらだ。そのうえで彼女にこんなことを言うのだった。
「私。夜空が好きなのよ」
「星があるからですね」
「そうよ。それがあるから」
まさにその通りだというのだ。
「だから好きなの。幾ら見ても飽きないわ」
「そこまでお好きなんですね」
「ええ。それでね」
先輩もまた夜空の、そこにある星達を見上げている。それを見ながらだ。星華に対してだ。今度はこんなことを言ってきたのである。
「今度の日曜ね」
「日曜ですか」
「百貨店行かない?」
星華をそこに誘うのだった。
「八条百貨店にね。行く?」
「あの百貨店にですか」
「そうよ。あそこの屋上にプラネタリウムがあるのよ」
「そうだったんですか」
それは星華の知らないことだった。星については学校の授業で勉強するだけだった。彼女にとってはそれだけの存在で
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