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ねここい
第12話
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無人島バカンス2日目の朝が来た。
割り当てられた俺の部屋で寝てたんだが、左隣の部屋のベランダへ出る引き戸が閉まる音がし、目を覚ました。
まだ気温が上がってない早朝の外は気持ちよさそうで、俺もベランダへ出てみる。

「おう、おはよう……あぁ、静かに閉めたつもりだったが起こしちまったか?」
ベランダに居たのは蔵原。
上半身裸で朝日を眺めていた。

「まぁ切っ掛けは……でももう起きる時間でもあるし問題無いよ」
そう笑顔で言って気が付く。
あれ……左隣って真田さんの部屋じゃなかったっけ?

「む〜……もう朝ぁ?」
一つの疑問が思い浮かんだ途端、その答えを提示するかの様に部屋主の真田さんが姿を現した……全裸で!!

「ば、馬鹿……幸! お前服を着てないんだぞ!」
何故か知らないけど、絶対に見ちゃいけない気がして、慌てて顔を背ける。
でも生まれて初めて家族以外の女の裸を見た。

「うわぁ! ま、まさか大神君も居るとは思わなくって!!」
俺の存在に気付いた真田さんは慌てて部家の奥に戻ったらしい……見えないけど。
あぁ……本当はもっと見ていたかった。

だがしかし……
「お、俺……もう部屋に戻るから!」
小心者の対応はこんなもんだ。欲望とは裏腹に逃げ出す。



部屋に戻り、完全に目が覚めた俺は先程のをオカズに一仕事しようかと思ったんだが、結構な大声での会話だったから他の部屋の方々も起きてしまったらしく、廊下等から気配を感じ断念することに……

着替えて廊下へ出ると、そこには猫4匹が集まっていた。
「如何したの? 何かあったの?」
心配顔の渡辺さんが俺の姿を見て問いかけてきた。

「あ、いや……その……」
俺は言葉に詰まりながらも見てきたことだけを伝える。
彼女の裸を覗こうとした訳じゃないって事を。

「だ、大丈夫だよ大神。お前が覗きをしようとした訳じゃ無いのは判ってる。だって元々は男なんだぜ……真田さんは男なんだぜ」
あ……そ、そうだった!

でも見たのは完全に女の裸だった。
ウチの姉とは違い大きな胸で、俺には付いてるモノが完全に存在しない、完璧な女の裸だった。
だからこんな慌てた態度をとってしまったんだ。

いや待て……
元が男だと理解した状態で見たとしても、小心者の俺には同じ反応しか出来なかっただろう。
恋人同士になったのなら兎も角、マジマジと観察なんて出来るわけ無い。

「そ、そんな事より……あの二人は昨晩、高校生にあるまじき行為をしてたって事?」
引率という立前の小林先生から衝撃の言葉が……
そ、そうか……そういう事になるんだ!

「元男って事で、普段はぞんざいな態度ですのに、随所で真田さんに対して優しい蔵原さん……もう堂々と付き合ってしまえば良いのに」

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