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レーヴァティン
第六十六話 自分達の船その十一

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「戦えばいい、しかしな」
「政はですね」
「金がないとどうにもならない」
「だからこそですね」
「この二万両も置く」
 まことにというのだ。
「そうする、今はな」
「それでは」
「そのうえで八丈島に向かう」
 次の目的地であるあの島にというのだ。
「そして十人目も仲間にする」
「さて、十人目はどういった方か」
 紅葉はここでその相手のことを考えた。
「一体」
「女だ」
 幸正は紅葉その疑問にすぐに答えた。
「そのことは言っておく」
「女性ですか」
「年齢は言うまでもないな」
「わたくし達と同じですか」
「それ位だ」
「ではその方も」
 紅葉は幸正のその話を聞いてそれで述べた。
「八条大学の」
「そうだ、学生だ」
「やはりそうですか」
「どうもです」
 謙二はここで言った。
「我々は全員八条大学の学生ですね」
「そうだな、どうやら」
「あの大学はこの世界と何か関係があるのでしょうか」
「それは我にはわからない」
「拙僧もです、しかし」
 謙二は腕を組み深く考える顔になり述べた。
「あの大学いえ八条学園は何かと不思議な話や縁があります」
「怪談の話も多いしな」
「はい、ですから」
「その不思議な何かがか」
「この世界とも関わりを作ったかも知れないですね」
「そうかも知れないな、あの学園には何かがある」
 言葉では言い表せない、それがと言う幸正だった。
「不思議なものがな、そしてな」
「この世界との関係を作っている」
「その可能性はある、しかし」
「そうでありますな」
「間違いなくな、そのことかもな」
「ですな、では」
「出港してな」
 そしてと言うのだった。
「今度はな」
「八丈島でありますな」
「あの島に行こう」
「その時は間もなくですな」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 一行は船で八丈島に向かった、英雄はその船に乗って湖に出たところで前を見て腕を組んで言った。
「また湖に出たな」
「出ると思っていたか」
「そこまでは考えていなかった」
 こう幸正に答えた。
「まだな」
「そうだったか」
「しかし湖に出たならな」
「これからはか」
「このまま行く」
 八丈島にとだ、こう言ってだった。
 英雄は船を八丈島に進ませた、そうして十人目の仲間を加えに行くのだった。


第六十六話   完


                   2018・5・15
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