第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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平原より少し南下したあたりに野営陣地を展開していた。
アルサス中央部にて凱との戦いを終え、テナルディエの目前へ帰還したノア=カートライトは、鎧の神剣ヴェロニカの刃を見せていた。
「――まさかアリファールで究極の硬度を誇る鎧の神剣ヴェロニカが、ここまで破損されるとは思っていなかったな」
砕かれた刀身を見つめるフェリックスの声に、わずかに驚きの色が混ざっている。
「え?」
「ノア――貴様は七戦鬼最強なのに、理屈はよくわかっておらんようだな」
気が付けば、ドレカヴァクがそばにいた。
「戻っていたか。ドレカヴァク」
先代テナルディエ公爵より使える『占い師』もまた、ノアと同じ『七人の戦鬼』のうちの一人である。
『鬼竜のドレカヴァク』――それがこの老人姿なる占い師の二つ名である。
「本来、竜は神の化身――竜具もまた神の武具の化身ともいわれておる。貴様の持つ鎧の神剣ヴェロニカは『神への憎悪』を芯としている為に、竜具に対しての絶対的優位がある。本来ならアリファールは木っ端微塵となり、そなたのヴェロニカは無傷のはず。だが、この損害とはな――」
過去に幾世代との戦姫と戦ってきたドレカヴァクとて、破損されたヴェロニカを見て、自身と凱のチカラの差を推し量る。
やはり、優性進化遺伝子情報を持つ超越体には、我等『ヒトならざるもの』には荷が重いのか。
それは、フェリックスもドレカヴァクと同様の考えを持っていた。
この鎧の神剣ヴェロニカと、ノアの持つ『鬼剣?ブレイドオーガ』の実力があれば、不殺の流浪者ごとき相手にもならない。それがフェリックスの予測だった。
(ハウスマンに聞いた通り――いや、それ以上の結果となったか。奴は腐っても『勇者』だった。腑抜けになってもまだその『芯』は腐っていなかったか。いや、シシオウ=ガイには『勇者』の中に『王』が眠っている)
――やはり、直に勇者を見てみなければ、結局わからないものだなと、フェリックスは感服する。
「もういいよ。戻っておいで。ヴェロニカ」
金髪の青年がそう告げると、心金にまでヒビが入っていた剣に光が宿り、あたりを満たす。
次の瞬間、光の中から少女の姿が現れて、『頭』に悲惨な光景を確認された。
ぼんぼん頭。見事なまでの爆発的……アフロヘア―
剣の姿と形をとれる女性型の悪魔は、大なり小なりその損傷は身体のどこかへ反映される。例えば、頭部なら、髪が短くなったり、今のヴェロニカみたいな『アフロヘア―』みたいな髪型になったりする。
「ノア、ガイはきっと、わたしたちのまえにふたたびあらわれる」
「そうなの?」
竜具を介して凱の根底にある芯を感じ取ったヴェロニカの感想。やはり凱に被害をかぶせら
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