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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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ドナルベインが野盗として金銭をあさりにアルサスへ現れたあの時――
あたしと……ガイさんは初めて出会ったんだ。
銀閃の竜具を再鍛錬しようとする凱の考えを受け入れたのか、フィーネは顎に手を当てる。

「世界各国の商船が集う唯一の貿易機構(ターミナル)を持つ都市なんだ。そこには商品だけじゃなく、技術や概念までも『交易』されている」
「……確かに、貿易都市と謳うくらいだから、ヤーファの刀鍛冶の技術が伝わっていても不思議じゃない」

玄関たる交港口(ララポート)を備えた独立交易自由都市なら、ヤーファからの商船を受けいれるのも可能だろう。むしろ、ヤーファ専用の検疫窓口が存在しても不思議ではない。
確かに、あの神剣の刀鍛冶も言っていた。元々は一子相伝の技術。
『折り返し鍛錬』は本来、大陸にある刀工技術ではない。
何かを思い出したように、リムは突発的につぶやいた。

「まだ私が傭兵の新米だったころ、ヴィッサリオンから聞いたことがあります。『かつて東の地には、――神を屠れる剣――ゼノブレイドを打つブラックスミスがいる……と」

ブラックスミス――それは、神の存在に干渉できる刃紋を打てる刀匠の事を指す。
しかし、凱の記憶にあるブラックスミスは生涯一人しかいない。

(……ルーク……君の力を借りる時が来たみたいだ)

凱の記憶に残る、一人の青年の姿。
ルーク=エインズワーズ。
後に神剣の刀鍛冶と呼ばれ、世界十大国宝の一人と謳われた人物。

「何か心当たりがおありですか?ガイ殿」
「当てはあるさ、ルーリック」

今まで後悔していた分、それを取り戻すための帰還。
凱のゆるぎない決意が握り拳となって現れる。

「今まで、俺は誰かに理由を押し付けて、この力を振るってきた。自分のしていることが、自分の振るうチカラの正当性を信じられなくて……だけど、今は違う」

きっと俺は……この力を、そして自らの行いを、誰かに定義してもらいたかったのだろう。
凱は目をひらめかせた。そして不敵に笑って見せた。

「本当の心の(ペンシル)――神剣(ゼノブレイド)に挑戦しようと思う」

事象編集と原作改変をも可能にする、『素粒子(モナド)――神への干渉』を実現した剣。
作者が決めた設定という名の運命(フェイト)の壁さえも切り裂ける……文字通り『神を殺せる剣』を。
訪れた試練をあえて挑戦と宣言した凱の言葉は、新たな物語の幕開けとなるだろう。

――だが、独立交易自由都市へ向かおうとする凱の動きを予測している集団があった。












『ブリューヌ・モルザイム平原・早朝・銀の逆星軍幕営』










一方、アルサスを撤退したテナルディエら『銀の逆星軍』は、モルザイム
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