第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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く冷たい迷宮は似合わない。という感想を。
凱は自らの掌を胸に当てて目を閉じた。
(俺の居場所はずっとここにある。フィーネがくれた『心の翼』がある限り、俺はもう迷わない。例え憎しみに酔いしれても、ティッタが広げてくれた『心の地図』がある限り、俺の戦いは続くんだ!)
――――ありがとう。ティッタ。フィーネ。
まずは、この折れた剣をどうにかすることだ。
物語をつづる意志はある。そのためのチカラもある。今ならチカラをキズナにすることも。
だから……アリファールを何とか『再鍛錬』しなければならない。
チカラでは、それを成すことに気付くことができない。
キズナなら、チカラだけではできないことも、できるはずだ。
(俺をフォローしてくれる人たちのためにも……必ず!)
剣と心と絆を賭して、俺の物語を完遂させてみせる。
強い意志を秘めた光。青い瞳に宿った希望。その凱の瞳にティッタはティグルの面影を垣間見た。
――――?
直後、みんながガサゴソと草陰から現れる。
どうやら……みんなにずっと見られていたようだ。
「ガイ殿、こいつが不遜な動きをしていました」
「いいや!こいつが不審な動きしか、しないから!」
「ルーリック……ジェラール……」
ぽかんと、そっけない言葉がつい凱の唇から出た。
禿頭のライトメリッツの騎士――ルーリック。
長髪のテリトアールの貴公子――ジェラール。
恐らく、凱の行方を皆で探していたのだろう。連れ戻すにせよ、別れを告げるにせよ、どのみち凱と再会しなければ、今後の方針に支障が出る。
情勢を動かすほどの単体戦力は、多少なりとも『軍』全体に影響を与える。凱の行動を把握しておきたいのは当然だった。
どうやって切り出したらいいか分からないところ、皆の前に進み出たリムアリ―シャは凱と向き合った。
「みなさんは……あなたの「再筆」を待っていました。無論、私も」
「リムアリーシャさん?」
「――――今更、というのもおかしいですが、私のことはリムでいいですよ、ガイさん――僭越ながら私もフォローさせていただきます。貴方の描く未来とともに」
「俺なんかで……いいのか?リム」
「はい。なぜなら、今のあなたは『あの時』と同じ瞳をしていますから」
そう――あの時初めてあなたと会った、あの瞳のままで。
不愛想の副将閣下にして姫将軍の彼女らしからぬ、暖かい言葉と笑み。
いや――違う。
もしかしたら、これが彼女の本心なのだろうか?
そんな、艶のない金髪をなびかせる彼女の隣に、ぐんずりとした老人の伯爵マスハスが並び立った。
「――ガイ殿」
「マスハス卿?」
「わしらはいつしか、そなたの勇者としてのチカラに頼り切ってお
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