第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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つもりだ!」
奴らテナルディエ達の強さを肌身で感じたフィーネだからこそ、真剣にまくしたてた。
しかし、凱が次に浮かばせた笑顔で怒気を吹き散らされた。
「戦うのに大切なのは……剣だけじゃないってことだ」
ふわりと、そして自信に満ちた凱の表情に、フィグネリアは正体不明の説得力に押された。
――そう、物語を描くために必要なのは、自身を見失うことのない、ライトノベルだけ。
そして、凱は傍らにいるティッタに振り向く。
「それをティッタが教えてくれた。魂をもってね」
「そ、そんな……ただ、あたしは思ったこと、感じたことを言っただけで……」
ちゃんとあなたの『姿』を見てる。
ちゃんとあなたの『心』を読んでる。
ちゃんと返してくれるあなたの……『返事』が、絆を結んでくれる。
だから、あなたは――ここで剣を止めてはいけない。
それだけのことだが、凱にはしっかりと伝わっていた。
ティッタがどれだけ凱を見ていたことかを。
「俺にはティッタの、その『感想』が嬉しかったんだ。あと――黒竜の化身にも言われた」
「黒竜の化身?」
黒竜の化身という単語が凱の口から出た時、ティッタが首を不思議そうに傾げた。自国の聖剣王シャルルの名なら知っているが、ジスタートについてティッタの見識には薄いのも無理はない。
傭兵稼業の過程で既に知っていたフィーネがつぶやく。
「ジスタートの始祖となった建国王の名か」
「そう――その人にも言われたんだ。『お前の物語を見届ける者……その者たちの心に寄り添え』って」
暖かい感謝の想い……感想が伝わったなら、誠意をもってこたえること。
キズナを結ぶには、想いから。
戦うための力は、その後でいい。
そして、凱はふわりとほほ笑んでいった。
「大丈夫。俺はもう負けない。絶対に。誰にも――俺自身にも」
その力強い言葉を聞いたフィーネは、何か確信を得たような返事をした。
「そうか……私たちには預かり知らぬが、どうやらガイは何かをつかんだようだな」
凱は無言でコクリとうなずいた。
不殺をいくじなしと捕らえるものは多い。その中で、どれだけの批判が生まれるだろう?
ブリューヌ、ジスタートの各要人は凱の想いを甘えと断じるだろうか?
でも――ティッタが言ってくれた。
誰よりも優しいから、誰のためにも涙を流してくれるから、今までの原作とは違う可能性を示してくれる。
ガイさん。勇者のあなたに迷い続けてほしくない。という感想を。
フィーネだって、言ってくれた。
心の翼を広げ、ガイはどこへでも飛んでいけ。
お前の描く銀閃の物語を、お前が聴かせたい律動を――世界中の者たちに届けてやってくれ。
勇者のあんたに暗
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