第二章
[8]前話
「だからね」
「余計にか」
「忙しいくてなの」
「大変なのね」
「そうなんだな」
「そう、疲れてね」
それでというのだ。
「正直食べないとやっていけないわ」
「そこでそう言うならまだいいわよ」
母は娘の今の言葉にこう返した。
「食べられるっていうのならね」
「食べられなくなったらまずいのよね」
「それは夏バテだから」
「夏バテになったら」
「もうどんどん落ちるから」
調子も何もかもがというのだ。
「だからね」
「食べないと駄目よね」
「あんた忙しいって言いつつもね」
「食べてるからいいの」
「三食しっかりとね」
そうしているからだというのだ。
「食べてるでしょ」
「忙しいと余計にお腹空くから」
だからという返事だった、加奈にしても。
「正直ね」
「それで食べているのね」
「そうしているわ」
「ならいいわ、忙しくてもね」
「食べないといけなくて」
「食べられるなら」
それならというのだ。
「安心しなさい、お店のアイスも食べてるわよね」
「ケーキもね、店長さんがおやつで出してくれるから」
加奈は母に笑って話した。
「だから毎日ね」
「おいおい、毎日アイスやケーキだと太るだろ」
父は娘の今の言葉に笑って言った。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ、その分動いているから」
「忙しくか」
「だからね」
それでというのだ。
「太ってないわ」
「だといいがな」
「さて、食べ終わったら」
それからのこともだ、加奈は話した。
「ゴローの散歩行くわね」
「あら、もう夕方行ったわよ」
家の犬の散歩はとだ、母は加奈に答えた。
「だからいいわよ」
「そうなの」
「ええ、それにあんた朝行ったでしょ」
朝早く起きてだ、加奈は早起きなのだ。
「だったらね」
「もういいいの」
「別にいいでしょ、それじゃあね」
「今はなのね」
「ええ、シャワー浴びて休みなさい」
「ゴローとの散歩いいストレス解消なのに」
「それは朝しなさい」
夕方もう行ったからだというのだ。
「だからね」
「シャワー浴びて」
「しっかり寝なさい、明日もアルバイトかサークルでしょ」
「どっちもないの、だからショッピング行くつもりよ」
趣味のそれを楽しんでくるとだ、加奈は母に答えた。
「明日はね」
「そうなの、じゃあ無駄使いしない様にね」
「楽しんでくるわ」
微笑んでだ、加奈は母に応えた。そうして一家で夕食を楽しく食べるのだった。
忙しい中でも 完
2018・8・17
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