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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
完全体
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ず足を止めるティオス。シリルは背を向けたままの彼を睨み付ける。

「シリル、俺はお前の実力は十分認めているつもりだ」
「??」

突然の告白に眉間にシワを寄せる。ティオスは横たわるレオンの前に膝をつくと、彼の胸に手を当てる。

「正直今のままの俺ではお前に勝てるか微妙なところかもしれない。だが・・・」

ティオスの手から光が発せられていく。すると、次第にレオンの体にある変化が起き始めた。

「レオンが・・・消え・・・」

次第に薄れていくレオンの体。それに比例するように、切り落とされたはずのティオスの腕がみるみる修復していく。

「お前!!やめろ!!」
「もう遅い」

それを止めようとしたシリル。少年は懸命にティオスに体当たりしたが、その時にはもう遅かった。

「そんなバカな・・・」
「こんなことって・・・」

完全に肉体すらもこの世界から消え失せてしまったレオン。それに対し、ティオスは元通りの体に戻り・・・傷すらも癒えてしまっていた。

「やはりそうだ。何かおかしいと思っていたんだ」

蘇った腕の感覚を確かめながら、シリルたちへと視線を向ける。その体から感じられる魔力は、これまでのそれを超越していた。

「なぜか未来にいた時ほどの力を出せなかったのは、俺が過去の俺(レオン)と一体化できていなかったからだ。だからカミューニの攻撃に反応することができなかったのか」

かつて未来からやってきたローグは現在のローグと一体化しようとした。それは自らの肉体を完全とするために必要だったから。
だが彼はナツに阻止され一つになることができなかった。ならば目の前にいる青年は果たしてどうだろう。その力を遥かに凌駕していく力を秘めていた彼が、さらなる力を得てしまったのだ。

「だがまだ完全じゃないな」

そう言うティオスの目に映る水色の髪の少年。

「お前の吸収すれば、俺は完全体になれるわけか」

さらなる力を欲して進化を続けるティオス。進化を遂げたこの男を、果たしてシリルは止められるのだろうか。



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