第三十一幕:日常の虹
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、訊いた事以上に答えてくれそうだなと思ってね」
七夏「くすっ☆」
しばらく、七夏ちゃんと一緒に列車を運転させ、一通りの信号機の動作確認を行った。
時崎「問題ないみたいだね」
七夏「はい☆ ありがとうございます☆ お父さんも喜んでくれると思います☆」
俺は、直弥さんだけでなく、七夏ちゃんにも喜んでもらいたい。
時崎「七夏ちゃん! これ!」
俺は、机にあった直弥さんからの手紙を七夏ちゃんに手渡す。
七夏「ありがとうです☆ わぁ☆ 図書券です! こんなに沢山!」
時崎「良かったね、七夏ちゃん!」
七夏「はい☆ えっと、柚樹さんと半分ずつです☆」
時崎「全部、七夏ちゃんが貰うといいよ!」
七夏「え!? でも・・・」
普通に話すと、七夏ちゃんは遠慮してくるのは既に知っている。七夏ちゃんが喜んで全部受け取ってくれる話し方・・・それは、俺が望んでいる事であればいいはずだ。
時崎「いつも色々とお世話になっているから、俺からの『お願い』聞いてくれるかな?」
七夏「・・・はい☆ ありがとうです☆」
七夏ちゃんは、俺の事を良く知ってくれている。俺も七夏ちゃんよりはゆっくりだけど、少しずつ七夏ちゃんの心が分かってきている事を実感している。
ひとつひとつの小さな出来事の積み重ねが日常へと育つ。七夏ちゃんの「ふたつの虹」を今日は全く意識していない・・・これこそが−−−
七夏「柚樹さん☆」
時崎「え!?」
七夏ちゃんは、列車を駅に停車させて、こちらを見つめている・・・これは、俺にも分かる!
時崎「じゃ、一枚撮るよ!」
七夏「はい☆」
俺は、今日まったく意識していなかった「ふたつの虹」・・・いや、「日常の虹」を撮影する事が出来た。大切なのは、この「ふたつの虹」がどんな色なのかという事ではなく、七夏ちゃんが幸せに満たされていれば、どんな色でもいいのだと思うのだった。
第三十一幕 完
−−−−−−−−−−
次回予告
虹は珍しい自然現象のひとつである。「ふたつの虹」を持つ少女は、もっと珍しいと思うのだが・・・
次回、翠碧色の虹、第三十二幕
「不思議ふしぎの虹」
いや、珍しいかどうかは、その少女がその事を望んでいるかどうかだ。
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