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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
序章 新朝始歌
第二十九話 王妃冊立
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だ。…ちょっと、他の話題にしてもらえないだろうか。
「あんまり怪我ばっかりしてると、アルスラーン殿下が愛でるのを躊躇しちゃうかもだよ?本当に気をつけてよね!」
「めめっめめめ愛でる?何だそれは?どういう事だ?それに何故アルスラーンが出てくる?」
どうやらエステルさんはこういう話免疫がないみたいですね。私たちと同い年のはずなのに、何だか微笑ましいです。
「えー、それは勿論、揉んだり撫でたり噛んだり舐めたりだよ。エステルちゃん、アルスラーン殿下にだったら望むところだったりするでしょー?」
「ななななな……」
あ、これはエステルさん熱が上がりそうですね。ここはドクターストップに―
と思っていると、廊下を足早に近づいてくる音がし、扉が音高く開けられた。
「エステル!私だ!話があるんだが、今構わないだろうか?」
「なっ、何だお主!まっままままさか私を噛んだり舐めたりしに来たのか!」
あ、アルスラーン殿下…。今来るのは余りにも…。はい?席を外して欲しい?私にも?構いませんが、余り患者を興奮させないように…。
しばらく扉の外に控えていた私でしたが、漏れ聞こえてくるのは、エステルさんが思い切り声を荒げ、罵り、怒り、驚き、呆れると言った様子。…これは本当にドクターストップが必要ですね。意を決して突入しようかとしていると、急に扉が開き、アルスラーン殿下が済まなそうな顔で出てきた。
「れ、レイラ殿、話は無事ついたんだが、ちょっとエステルが熱を出してしまって…。済まぬが診てはもらえないだろうか?」
本当に何をやっているんです!後でお説教ですよ、アルスラーン殿下!
◇◇
パルス暦320年12月28日。ペシャワール城よりパルス全土にアルスラーン王太子の名で三つの、歴史的に重大な布告が発せられた。
一つ目は「ルシタニア追討令」。
二つ目は「奴隷制度廃止令」。
三つ目は「新王朝開闢の詔」であり、ルシタニア軍を駆逐し、国内に安定が取り戻された時点で新王朝の開闢を宣言し、ルシタニア人女性、エステル・デ・ラ・ファーノを王妃として冊立するとの宣言であった。
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