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獣篇V
42 大きい彼女と小さい彼氏
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ていることも、一生の秘密である。

_「さて、ここからは格好に合わせてお互い口調も変えましょう。それこそ真選組に行くときなんかは厳重に。何を言われても冷静にね。じゃ、行きましょうか。」

と言って私は晋助(かれ)の手を取った。半刻後にはもうすでにお目当てのモノをgetしたので、次は真選組へ、レポートを提出しに行く。手をつないでそのまま道を行くと、通りすがりの人々から羨望の眼差しを受けた。晋助(かれ)は不機嫌そうだったが、まんざらでもない表情をしていたので、ニヤニヤが止まらなかった。しばらくすると、真選組の門と看板が見えてきた。私は持っていた警察手帳を出し、久坂です。とだけ告げて、門番に門を通してもらった。勿論晋助(かれ)も一緒である。同伴の方ですか?と訊かれたので、そうです。とだけ返し門を潜った。するとまず出くわしたのが、沖田である。変装をさせておいて本当に正解だった。

_「あり、零杏じゃねェですかィ。どうしたんですかィ?」

_「ええ。今日は江戸に用事があったので、ついでと言っては何ですが、副長に課せられていたレポートを提出しに参った次第です。副長はおられますか?」

あァ、ここにいるぜ。と副長(かれ)がヌッと顔を出した。

_「あァ、レポートだろ?わざわざご苦労だったな。」

バッグからレポートの入った封筒を手渡す。すると沖田が口を開いた。

_「ところで零杏、隣に侍らせてる大層な美人さんは、いったい何者でィ?彼女さんですかィ?」

晋助(かれ)もこの状況を楽しんでいるのか、いつの間にか腕を絡ませている。

_「あぁ、彼女ですね。私の恋人ですわ。美人でございましょ?」

そうですねィ。と沖田は言った。

_「大層な美人侍らすなんて、零杏もカッコイイじゃねェか。おまけに二人そろって美人なもんだからな。お似合いだな。」

と副長も口を出している。だが晋助(かれ)が地味に腕を締め上げるので、千切れそうである。ここは早く退散するしかなさそうだ。

_「そうですか。ありがとうございます。」

と言ってまずはその場を去った。後ろからデート楽しんで来いよ、と聞こえたのには後ろを向いたままで手を振り返すことで対応し、次の目的地に向かった。

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