436部分:第三十三話 告白その八
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第三十三話 告白その八
「はい、それじゃあね」
「有り難う」
星子は微笑んで星華に対して礼を述べた。
「それじゃあね」
「ええ。飲んで」
「うん」
星子は頷いてそのうえで酒を飲む。そうして一杯飲んでから言うのだった。
「本当に美味しいお酒よね」
「ええ、本当にね」
「実はあまりいいお酒じゃないらしいけれど」
「そうなの」
「それでも。何か今こうして飲むと」
「美味しいわよね」
こう二人で話すのだった。
「とてもね」
「そうよね。どうしてかしら」
星子はまた姉が入れる酒を見ながら話す。
「それって」
「二人だからかしら」
「二人だから?」
「だからかしら」
こう話す星華だった。
「二人で飲んでいるかしら」
「そうかもね」
姉の今の言葉をだ。否定する気にはなれなかった。とても。
「二人だからね」
「多分一人で飲んだら」
「こんなに美味しくはないわよね」
「多分ね」
そうだとだ。二人は話していく。
「やっぱり二人で飲んでいるから」
「だからなのね」
こんな話をしてからだ。星子は星華に顔を向けて言った。
「ねえ」
「どうしたの?」
「お姉、お酒も二人で飲むと美味しいわよね」
こう姉に話すのだった。
「そうよね。美味しいわよね」
「一人で飲むよりずっとね」
「美味しいわよね。だからね」
「だから?」
「これからも。何かあったら言って」
これが姉への今の彼女の言葉だった。
「そうしてね。こうして二人で飲んだりしてね」
「そうするっていうのね」
「そうしてお話しよう」
これが姉への言葉だった。この世でたった一人の姉妹に対する。
「それでいいわよね。これからも」
「そうしてくれるのね」
「姉妹じゃない」
だからだというのだった。そしてだった。
今度は星子が星華の杯に酒を入れる。そしてまた言う。
「もう一本あるから」
「まだ飲めるのね」
「何だったらそれから一本も」
あるというのだった。
「どれだけでも飲めるからね」
「そうなの。心ゆくまでね」
「ええ。飲みましょう」
また言う妹だった。
「これからもね」
「これからもね」
「そうよ、これからもね」
にこりとした笑顔になった。それでなのだった。星子は星華にさらに話してきた。
「それでいいわよね」
「有り難う」
自然とだ。この言葉が出たのだった。
「けれどね」
「けれど?」
「それは私だけじゃなくて」
自分だけではないというのである。
「星子もね」
「私もなの」
「うん。あんたも何かあったら」
その時はだと。相手の顔を見詰めながら話す。
「よかったらね。こうしてね」
「お姉と話をして、なのね」
「駄目かな、それで」
妹に対して
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