06.そうだ、刑務所に逝こう。
第6回
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「取り敢えず、琴葉の傷を治してくれたのはありがとう。だけど、何故毎回毎回琴葉を襲う!!?」
「琴葉君が可愛すぎるから。琴葉君を愛しているから。琴葉君の血が美味しいから。琴葉君の事で頭が一杯だから」
「うん。もう駄目だ此奴」
現在、部屋の中央で葉月とフランの間に火花が散っている。
なので、紗耶香と琴葉は―――フランが一度元の世界へ戻り、何時もの服を持ってきて、それを着ている―――部屋の隅に退避して、二人で喋っている。
「良くあの人の下で働けるねぇ、姐さんは。……ハッ、真逆マゾ!?」
「マゾでは無い筈だよ。……何だろうね、本当に。未だ、フランさんに対しての恩返しが終わってないから、って言うだけじゃ、きっと続けてられないもんねぇ」
「恩返しとは!?」
「昔、友人の命を助けて貰った事があってね」
「ほう……!」
「「琴葉!! 此奴か俺/私だったら、どっちが好き!?」」突然葉月とフランは、琴葉の方を向いて同時に叫ぶ。
「二人とも頭大丈夫? 私はどっちも同じくらい嫌いだよ?」それを、冷静に琴葉が返す。
「ぶふっ」それを聞いて、紗耶香が吹き出す。
「ねぇ、そんなにお仕置きして欲しいの? 良いよ、してあげる。毎回邪魔する人間は既に此処に居るから、漸く最後まで行けるね、琴葉。私の琴葉」
「何をして欲しい? 海に投げるか? 火の付いた部屋に放置か? 闇オークションに出品するか? さっさと選べよ、琴葉」
「あのすいません本当にすいませんでしたなのでその短剣と怒りを収めて下さいますか出来る範囲で一日言う事聞きますからぁあああああ!!」
「「じゃあ、大人しく俺/私の言いなりになれ」」
「…………え、葉月サン何処から其の手錠出したんですか。ちょ、怖い怖い!! 近付かないで!? ………って、フランさんは如何為てこっちに来て………って、あ! 手錠掛けるな………っ! って、外れないし………フランさん? え、ちょ、如何為てボタン外してるんです? ぅ、あ、ヒッ……ぁ、ああああぁぁぁあああああ!!」
「「絶対に許さない」」
「なァ、琴葉。何処が痛いだろうなァ。此処かァ?」
「………葉月、痛い痛い!! 待って、短剣を手首に押し付けないで、血が止まんなくなる………う、ぅぁぁあああああ!!!」
「大丈夫さ、血が止まんなくたって。血が止まんなくたって、どうせ死なねぇよ」
「痛い、痛いよっ………葉月!」
「このまま殺しても良いんだぜ? 敵幹部サンよぉ」
「怖いんですけど………って、痛ッ!」
「ねぇ、琴葉。何処から血を吸うのが一番気持ち良いかね? 矢っ張り、ココかな?」
「…………ま、待って下さい、フランさん! だ、駄目ですっ……」
「何が駄目なんだい? ………キスの場所に意味があるって事は知ってるよね?」
「し、知ってますけど………
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