提督、里帰りする。その2
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「まぁまぁ、それでも中々美味いぞ?」
意外と濃い目の甘辛い割下がウニの甘味を引き立ててくれるので美味しいんだよ。地元の食材を使った『地産地消給食』のメニューになったりもするしな。……ただ、大概のチビッ子は家で生のウニが食えるから火の通ったウニ出されてもあんまり有り難がらないんだよ(遠い目)。
「このラーメンのスープ、塩味でアッサリしてて美味しいわ」
「だろ?いちご煮って郷土料理をアレンジしてんだよ」
※いちご煮
ウニとアワビの入った潮汁。具材が豪華な為、お盆や正月なんかの特別な日のご馳走。はまなす亭の『いちご煮ラーメン』はそれをラーメンのスープとして使用。勿論、ウニとアワビも具として入っている。名前の由来は具材のウニが木苺に見える為。決してイチゴを煮詰めた料理ではない。
さて、俺も自分の分にありつくとしますかね。
※ウニめし定食
はまなす亭の定食メニュー。ご飯はウニの炊き込みご飯か白飯に生のウニが乗ったウニめしのどちらかが選べる(時期によっては選べません)。そこに汁物、漬け物、野菜の小鉢が2つ、ウニ風味の卵焼き、イカの酢味噌あえ、季節の刺身が付いてくる豪華ぶり。そして値段は驚きの1080円。利益出てんのか?と疑いたくなる豪華さである。筆者のオススメ。
ホカホカのご飯にサッと塩水で洗ったウニが乗せられてて、もう醤油とか要らんからそのまんま匙を使って頬張る。
「おほっ、これこれ。この味だよ……!」
懐かしの味に思わず笑いがこみ上げてくる。最初は塩気が来るが、すぐに口一杯にウニの甘味が押し寄せてくる。ガキの頃は時期になるとリリース近所の漁師さんとかからウニを貰って、毎日のようにコレ食ってたんだからな。なんつう贅沢。
「ん〜、最高デース!」
一口食べる毎に悶えているのは金剛。
「そりゃそうだろ、1人前5000円もするメニューを頼みやがって……」
※ウニ尽くし
はまなす亭最高価格を誇るメニュー。その年のウニの獲れ高で多少変動はするが、最低でも4500円は取られる高級メニュー。そのラインナップは生ウニにウニの姿焼き、汁物は勿論いちご煮と、ウニ尽くしの名に偽り無し。筆者はまだ食べた事が無いorz
「山風、どうだ?美味いか?」
「うん!このカレイ、肉厚でトロトロで美味しい!」
山風の興奮ぶりが伝わってくる。うんうん、ナメタガレイの煮付けは美味いからなぁ。
※ナメタガレイ
カレイの1種。他の地域ではババガレイやアブクガレイ、インドガレイ等と呼ばれる事もある。普通のカレイよりも若干四角い見た目をしている。身は肉厚で皮も分厚く、煮付けにするとコラーゲンが溶け出してトロットロになる。大晦日の年取りに食べる風習が
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