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提督はBarにいる・外伝
提督、里帰りする。その2
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等の種市特産の海鮮は勿論、隣の八戸市名物のサバやイカも絶品。

「元々この辺は飯屋が少ないが、ここは絶品だぞ?」 

 そんな事を言いつつ、店に入る。

『いらっしゃいませ〜!』

 というおばちゃん達の威勢のいい掛け声が飛んでくる。流石に見知った顔はいないか。適当に空いているテーブルに座り、メニューを開く。

「darlingは何にしますカー?」

「あぁ、俺はもう決まってるから。お前ら、好きなモン頼みな」

「……あ!ウニ丼900円だって!安っ!」

「あらほんと。私これにしようかしら」

「青葉もウニ丼にします!」

「……私はこの『いちご煮ラーメン』が気になるわ」

「わ、私はこの『日替わりお魚ランチ』に……する!」

「ン〜……じゃあ私はこの『ウニ尽くし』にするネー!」

「おまっ!?本当に遠慮がねぇなオイ……まぁいいや。すいませ〜ん!」

「は〜い、ご注文は?」

「えぇと、ウニ丼が3つ、いちご煮ラーメンを1つ、日替わりランチを1つ、ウニ尽くしを1つに、ウニめし定食を白飯で」

「日替わりのメインは何にします?今日はナメタの煮付けと、サバの塩焼きと、イカの唐揚げになってますけど」

「山風、どうする?」

「あ、じゃあ……その、ナメタ?の煮付けで……」

「あいよ。にしてもお兄さん、ウニめし定食の白飯なんてよく知ってたね?」

「あぁ、俺ぁここの生まれでね。今日は里帰りなんだよ」

「成る程ねぇ。でも、こんなに別嬪さん連れてめごい(可愛い)わらしもせでったら(連れてきたら)親御さんもたまげるべぇ」

「あ〜……まぁ、ね」

 ニヤニヤ笑うおばちゃんに、苦笑いを返しておく。一人は確かに嫁なんだが、残りの5人との関係性の説明って難しいんだよなぁ。そんな事をぼんやり考えていると、料理が続々と運ばれてくる。

「お〜、きたきた!って、あれ?な〜んか想像と違うんだけど」

 とジト目を向けてくる秋雲。

「奇遇ねぇ。私も今そう思ってたわ」

「青葉もです……」

「あ?どこに不満があんだよ」

「「「ウニが玉子とじされてる」」」

「そりゃそうだ。それがこの辺の『ウニ丼』だからな」

※ウニ丼の違い

 他の地域で『ウニ丼』と聞くと、白いご飯の上に生のウニがたっぷりと乗せられた物をイメージされると思うが、八戸〜三陸沿岸北部地域だと『ウニ丼』は違うメニューになる。玉ねぎとウニを割下で煮込んで、それを玉子とじにしたのがこの辺でいう『ウニ丼』なのだ。元々は出荷できない規格外のウニを家庭で美味しく食べる為の家庭料理レシピ。白飯に生ウニの乗ったウニ丼が食べたければ、『生ウニ丼』と注文するべし。




「……騙された気分だわ」

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