暁 〜小説投稿サイト〜
虹にのらなかった男
P8
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アブルホール二号機はここに残す。

ローザにはこの場所で砲台になってもらう。

無論事前に何かあれば逃げるよう言い含めてある。

「よし…これでハヤトが撃てば作戦開始だ…」

直ぐにパプアから火が上がった。

作戦開始だ。

アブルホールを飛び立たせる。

クレーター内部はガンキャノンガンタンクの実弾砲撃とアブルホールのビームで地獄絵図だ。

特にパプアは上面が広いため当たりやすい。

「クレーター内で作業するのは間違いだったようだぞシャア。
戦いを読み間違えたようだな」

アブルホールを急上昇させる。

下からメガ粒子砲が飛んで来ないのを見るにムサイのエンジンはまだ入ってないか入れたばかりだろう。

十分な高度を確保。

スイッチを切り替え、変形。

脚を前に向け減速。

「ぐぁっ!? 」

Gで内臓が押し潰されそうになるのに耐え、機体を反転。機首を下…パプアへ。

「行くぜ行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

脚部を収納。

スラスターを吹かしてパプアへ急降下。

どんどんパプアが大きくなる。

コンソールを弄り、テールユニット下部のハッチを開き、中身をユニット外にアームで固定。

「ファイア」

トリガーを引き、アームを解放。

直ぐ様MS形態に変形し、スラスターを下に向ける。

急制動で下方へのGに押し潰されそうだ。

パプアの上面すれすれで垂直方向のベクトルがゼロに。

パプアの艦体を蹴り、勢いを着けて離脱する。

十分に距離を取り、後方の様子をモニターで確認する。

大破炎上。もしくは轟沈寸前。

そんな言葉の似合いそうな状況だ。

なお先程切り離したのはバンカークラスター。

バンカーバスターの散弾版のような兵器だ。

ミサイルランチャーユニットは上下で違う物を入れられる。

なお、上方のミサイルは一切使っていない。

そうこうしている間にムサイが浮上を開始した。

爆炎の中を逃げるように上昇する。

「よーし。沈むとは思わんが取り敢えず食らっとけや」

ウェポンコンテナ上部ハッチ全面解放。

「たらふく食いな。全部連邦の奢りだぜ」

トリガーをカチッと鳴らす。

ドシュドシュドシュドシュドシュドシュ…!

12×2門のミサイルランチャーのフルバースト。

中破くらいするだろう。

シャアの事だ。どのみち地球には降りるだろうが、ここでムサイが傷つけば大気圏突入間近での戦闘は仕掛けまい。

だが、その期待は裏切られた。

迎撃されたのだ。

ムサイからではない。

横合いから放たれたメガ粒子砲やミサイル、機銃など。

ジオンの増援でもない。

ムサイよ
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