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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第74話『カズマ』
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と突然、一真の刀は激しい黒き光を纏い、刀身が元の何倍にも伸びたのだ。光は空気を断ち、空へ雲を突き抜けるほど高々と伸びてその迫力を知らしめる。この高さなら──届く。



「喰らいやがれっ、"滅竜天衝(めつりゅうてんしょう)"っ!!」ゴォォッ



一真が刀を振り下ろした瞬間、強烈な風圧と衝撃が一行を襲う。大気が割れ、大地を揺らすほどの衝撃が今しがたの威力を物語り、飛ばされそうになる程の強風を堪えながらうっすらと目を開いて見てみれば、そこには黒い光の柱が煌々と天高く立ち上っているのが見えた。神聖さすらも感じるその光景に、晴登は唖然とする他ない。





「──ッ」ズシャア



衝撃が収まった頃、新たな振動が身体に伝わった。遅れて、大きな物が空から落ちてきたのがわかる。見ると、片翼を失ったイグニスが疲弊し切った様子で地を舐めていた。まだ意識が残っているようだが、先の一撃をまともに喰らったようで、立つことも叶わないらしい。

そんなイグニスの元に、歩み寄る影が一つ。


「グルル…」

「まだ生きてるなんて、しぶといなぁお前。ま、破壊の化身がこの程度でくたばる訳もねぇよな。・・・さて、お前のせいで散々な目に遭っちまったけど、ここでようやく終わりだ」チャキッ


刀をイグニスの眼前に向け、そう嘆く一真。イグニスは抵抗の色こそ見せるが、それが行動に伴うことはなかった。

──人が竜を打倒した瞬間。それを目の前にして、晴登は歓喜の声一つ上げることもできないほどに戦慄する。

一真は一つ呼吸を挟むと、鋭い目つきで言った。



「あばよ、邪炎竜」



黒い刀がイグニスの眉間に深く、深く突き刺さった。


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