4. 暮煙
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俺に女らしさを求めるなよ。古鷹とまるゆに、お前がここで気持ちよさそうに昼寝してるって聞いてな」
「フルタカ?」
「今日、お前がここで会った姉妹の姉の方だ。んで来てみたら、枕もなく硬い草むらの上で、お前が馬鹿面下げて寝てやがったからさ」
「馬鹿面は余計だろうが」
「あの面は馬鹿面以外に言いようがない。んで、仕方なく俺が膝枕してやったんだよ」
「そうか……ありがとな」
「いや、逆に俺の膝枕でよかったのか疑問だったからな。悪くないならよかった」
軽口を叩きながらも、木曾は俺の頭を撫でる手を止めない。短髪になった髪をくしゃくしゃと乱し、時々髪をくりくりと指に巻きつけて遊んでいる。
「……なー木曾」
「ん?」
「もうしばらく、こうしてていいか」
「んー……」
くしゃくしゃに乱された髪は、美容院でセットしてきたものなのだが……まぁいい。整髪料はつけてないから、木曾の手も汚れはしないだろう。
それよりも、こいつの手と太ももの感触が心地いい。この男みたいな木曾にそんなことを考えてしまうのも、なんだか癪だが……
「まるゆが待ってるんだが……いいよ。もうしばらくこうしとけ」
「ありがと」
「俺も今日はもう出撃もないし。お前が馬鹿面ぶら下げて中々起きなかったことにしとこうか」
「うるせえ」
「だって馬鹿面はホントの事だしな」
そう答え、俺ではなく夕焼けの海を眺める木曾の眼差しは、とても綺麗に澄んでいる。
そんな木曾の静かな微笑みは、夕焼けに照らされ、薄いオレンジ色に染まっていた。
「……? 何こっち見てるんだ」
「……うるせえ」
「意味がわからん相棒だぜ……」
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