06.そうだ、刑務所に逝こう。
第3回
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鬼も居れば、矢っ張り吸血鬼だなと思う程血を飲む吸血鬼も居る。
まぁ、吸血鬼も人間と同じ様に、一人一人特徴があると言う訳だ。
「聖月だよ。栗色の髪の女看守」
「嗚呼、そうなの。美味しい?」
「とても美味しいよ。どれだけでも飲める」
「へぇ」
「何? 琴葉さん、自分の血が吸血鬼にはどう感じるのか、知りたいの?」
「否。後でフランさんに殺されるからなぁ」
「でも、僕は興味あるなぁ。だって、さっきから良い匂いするからね」
「そうなの。じゃあ、好きに為て良いよ。死なない程度に」
「おぉ! それでは、御言葉に甘えて」
琴葉はシャツのボタンを更に一つ外し、首筋を出す。その間に、零は静かに鉄格子の鍵を開け、廊下に出てからそれを戻す。
「いただきまぁす」
そして、零はその首筋に牙を立てた。
「ん………くっ、ん!?」
「………あれ、随分と少量で良いんだね」
直ぐに顔を離した零に驚きを隠せない琴葉。淡々と言うが、内心は物凄く荒れていた。
「………だってさ、かなり刺激が強いんだけど? 人間で言うと、強いお酒を一気に呑んだ感じ。此れは、フランさんが気に入る訳だね。ねぇ、もう一回イイ?」
被害者は学んだ。「吸血鬼は、『駄目』って言っても止めないでしょ?」
「ハハハ、正解。………ん……ふっ…………」
「………い"っ」
「……痛かった?」
「否。強がっているとか、そう言う訳でも無い」
「そ。…………んくっ。あー、美味しい」
「はいはい。御期待に添えたようで、光栄ですわ」
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