第四十五話 二学期になってその二十四
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「やっぱり」
「ですから」
「そこもしっかりしてるのね」
「そうです、じゃあ行って来ます」
「いさんでいってね」
阿波野君に声をかけると阿波野君はそれじゃあという感じで私と治良さんに手を振って神殿に向かいました。
その阿波野君を見送ってからです、治良さんは私ににこにことしてこんなことを言ってきました。
「いい子だね」
「そうですか?」
思わず治良さんに脊髄反射でこう返しました。
「私は別に」
「いやいや、かなりいい子じゃない」
「軽くて適当でお調子者ですけれど」
「明るくて根は真面目だよね」
「そうでしょうか」
治良さんには子供の頃から何かとおみちのことや人のことを教えてもらっていますが今の言葉はどうもでした。
「馴れ馴れしいですし」
「人懐っこいんだよ」
「そうは思わないですが」
私としてはです。
「何か三年生になってからいつもですよ」
「一緒にいるんだね」
「そんなことになってますし」
それにです。
「ああした態度で」
「成程ね」
「いや、成程って」
「あの子とよくお話していってね」
今度はこんなことを言ってきました。
「これからもね」
「これからもですか」
「長い付き合いになると思うよ」
「まあそれは」
お付き合いについては私もこう思います。
「そうですね、同じ奥華ですし」
「そう、それにお引き寄せでね」
「そのこともあってですか」
「多分彼とはね」
「長いお付き合いですか」
「そうなると思うよ、千里ちゃんにとってもね」
私を見て言ってきました。
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