第四十五話 二学期になってその二十三
[8]前話 [2]次話
「布教所の所長さんに言われました」
「阿波野君のいる?」
「はい、そこの所長さんに」
「阿波野君って布教所の信者さんだったの」
「そうなんですよ」
「そんなお話も聞いたことがあったかしら」
言われてみればです、何かこの子のお話することは結構色々あるのでそんな気がすることもあります。
「私も」
「そうじゃないですか?」
「ううん、とにかくね」
「悪い癖性分はなおすべきですね」
「そこは頑張ってね」
「自分で何とかしていきます」
出来る限りはとです、またこう言った阿波野君でした。
そしてです、こうも言ったのでした。
「じゃあ今から神殿行ってきます」
「何しに?」
「回廊拭きに」
それにというのです。
「行ってきます」
「そっちになの」
「はい、行ってきます」
阿波野君は結構回廊拭きに行っています、神殿の回廊の床や横を拭かせてもらうひのきしんで回廊一周が基本です。
「気持ちいい汗かいてきますね」
「まだ暑いからね」
九月も始業式が終わったばかりです、まだまだ夏です。
「水分補給はしっかりね」
「すぐそこにお水ありますしね」
かんろだいのお水です、よく飲んでいる人がいます。
「水分補給もして」
「そう、それも忘れないでね」
「塩分は後ってことで」
「塩分も忘れないのね」
「健康には気をつけないと」
本当にわかっている返事でした。
「いつも万全の状態であたる」
「何か阿波野君とは思えないしっかりした言葉ね」
「けれど実際にそうですよね」
「それはね」
私も否定せずに返しました、
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ