第52話 別荘、夜の部
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「痛い……………」
額を抑えながら呟くヴィータ。
ちょっとやり過ぎたか?
「まあこれでおあいこって事で。この件の話は終わり!」
「…………………」
「何だよ………」
涙目で睨むなよ………
何か罪悪感で押しつぶされそうなんだけど。
「分かった………」
良かった、怒られるって訳じゃなさそうだ。
「零治君も怒ってへんみたいやし、本題に入るな」
………………見舞いがついでかよ。
「実はな、さっきアリサちゃんからおもろい話聞いたんやけど聞く?」
「面白い話?」
「それはな…………」
何でもアリサが言うには、この別荘の裏手にある山の麓で大昔、罪人の処刑が行われていたらしい。
その先は言わずと分かると思うが、要するに……………
「肝試ししたいと…………」
なるほど、さっき星の顔が暗かったのはこれが原因か。
「当たり前やんか!夏と言ったら海と花火と肝試しやで!!夏のイベントを逃してはアカン!!」
熱いなコイツ…………
「だけど星が…………」
「星ちゃん?」
俺たちは黙っていた星を見ると、
見事に真っ青でした……………
「星?」
「は、はう!?」
はう!?
「あ、いいえ何でもないです!!今のは忘れてください!!」
かなり焦ってるな………
「もしかして……………」
「ああ、星はお化けや怖い話が苦手なんだ」
「そうなんか……………星ちゃん、こんな話があるんやけど………」
そう言ってはやては話し始めた。
「ある男が夜、シュウマイを買って帰ってた時の話や。もう周りには人一人誰も居なかったんや。そんな時…………」
もうすでに星は俺の服の袖をつかんでいる。
「後ろから視線を感じたんや。当然後ろを見てみても誰もおらへん。ふとシュウマイの箱の中を除いて見たんや、すると…………」
そこで一旦話を切り、間を置くはやて。
「シュウマイが一個なくなっていたんや…………」
ふと、反対側の服の袖が掴まれてる事に気がついた。
っていうかヴィータかよ…………
俺に厳しいから、内心仕返しされそうで恐いんだけど。
「男は一度慌てず落ち着くことにしたんや。もう一度後ろを見て誰かいないか確認して再びシュウマイの箱の中身を見た。すると…………」
もう一度ここで間を置くはやて。
「今度はシュウマイが2個無くなっていたんや………」
それを聞いてビクッと反応する2人。
今の何処に怖い所があるんだ?
「男は慌てた。一旦蓋を締めて何とか気持ちを落ち着かせようとするんやけど、全然落ち着かん。震えた手でもう一度同じ手順をしたんや。すると…………」
横の二人がゴクンと唾を飲
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