第52話 別荘、夜の部
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かった。
まあ流石に美由希さんの殺人ケーキよりはマシだろ……………
そう思って、俺は水筒の蓋を開けた。
「「うっ!?」」
まだ側にいたセインが鼻をつまむほどの異臭が漂う。
「……………セイン」
「ごめん、もう行くね!!」
見事なダッシュで逃げ出すセイン。
あのやろう………
「さあ早く飲め!」
ヴィータに急かされ、俺は覚悟を決めて口をつけた。
(うご!?)
何かドロドロしたものが口の中へ入ってくる。
ヤバイ、いれただげでリバースしそうだ………
「飲んだ瞬間に涙目になったわね………」
「それほど不味いのかな………」
「当たり前だろ。シャマルの作ったものは劇物なんだからな」
「ヴィータちゃん、それ零治君死んじゃうから!!」
時すでに遅し、
零治は気合いで半分は飲み干し、そのまま力尽きた。
「はっ!?知らない天井だ………」
目が覚めるとそこは知らない天井だった。
いや、ここは…………
「気分は大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか」
側には星がいた。
どうやら俺の看病をしてくれていたみたいだ。
体を起こして時計を見るともう10時になりそうだ。花火を始めたのは8時頃だったから恐らく1時間半位眠っていたのかな?
「悪いな迷惑をかけて………」
「別に構いませんよ。それに………」
そう言うと顔が暗くなった。
どうしたんだ?
そんなとき、誰かが部屋のドアをノックした。
「零治君起きた〜?」
どうやら声の主ははやてみたいだ。
「ああ、起きたぞ」
「ほんまか?なら入るで」
そう言ってはやてが入ってきた。
その後ろには隠れるようにいる赤い髪の幼女が…………
「幼女じゃねえ!!」
俺、喋ってないよな?
「ヴィータ、そんな事言いに来たんちゃうやろ?」
はやてがそう言うとヴィータは黙る。
何か調子狂うなあ……………
「あのな………その…………悪かった!!」
そう言ってヴィータは頭を下げた。
「……………………………何を?」
「何をって、私が罰ゲームなんて下らない事言ったから倒れたんじゃないか!」
「いや、俺も了承したじゃないか。別にヴィータが悪いって訳じゃないよ」
「でもさ…………」
「気にするなって」
「でも………」
ああ、しつこいな。
それじゃあ……………
俺は手を大きくパーにしてヴィータの顔に当てた。
「な、何すんだよ!?」
俺はヴィータを無視し、人差し指を引っ張り、そのまま放した。
「ぎゃ!?」
要するにでこぴんである。
自分でやってなんだが痛そうだ。
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