第九幕その五
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「だから使うの、それもね」
「それも?」
「適量よ。多過ぎても少な過ぎてもよくないの」
香辛料のそれはというのです。
「だからね」
「適量ね」
「それだけ使ってね」
そうしてというのです。
「美味しくお料理してるの」
「それでそれを食べてるのね、いつも」
「そうよ」
「よくわかったわ、どうもあんたはね」
「ええ、私は」
「香辛料を作るだけじゃなくてお料理も上手なのね」
ガラスの猫もわかりました、このことが。
「そうなのね」
「ええ、自信はあるわ」
「実際に」
「お料理を作る方もね」
こちらもというのです。
「実際にね」
「いいことね、楽しく過ごせてるのね」
つぎはぎ娘もそのお話を聞いて言います。
「あんたもご主人も」
「そうよ、凄くね」
「それは何よりよ、じゃあ後はね」
「ええ、シュークリームを食べて」
「楽しんでね」
「そうさせてもらうわ、最後のデザートもね」
実際にです、ペッパーさんはシュークリームも食べました。それも残さず。そして最後のクリームをたっぷり入れたコーヒーを飲んで。
ペッパーさんはそれぞれのお料理に合った香辛料を出してそれをオズマに手渡してから一行に言いました。
「それじゃあ」
「ええ、これを持って行くわね」
「そうして下さい」
「実は猫の国に行ってね」
「あそこにですか」
「そう、そしてね」
「それぞれの香辛料を使った河豚料理をですか」
ペッパーさんもこのことをすぐに察しました。
「出して」
「あの国と揉めている犬の国の人達に食べてもらって」
そうしてというのです。
「食べてもらうの」
「そうですか」
「河豚は近くの川で沢山釣るわ」
猫の国の近くのというのです。
「それで新鮮な河豚をね」
「調理してですね」
「貴女から貰った香辛料で食べるわ」
「わかりました、それじゃあ」
「今から猫の国に行ってくるわ」
「道中楽しんで下さいね」
ペッパーさんはオズマにオズの国の別れの挨拶の一つを贈りました。102
「そして」
「ええ、無事にね」
「猫の国と犬の国を仲直りさせて下さいね」
「そうさせてもらうわね」
「是非共」
こうお話してです、そうして。
一行はペッパーさんとお別れしてそうして旅を再開しました、今度は猫の国に入ってそうしてでした。
黄色い煉瓦の道をまた進んでいきますがふとです。
ナターシャはふとです、こんなことを言いました。
「これで目的の一つが達成されたわね」
「そうね」
ガラスの猫が応えます。
「無事にね」
「ここまでも色々あったけれど」
「それはもうわかっていたでしょ」
「ええ、オズの国にいるから」
だからこそとです、ナターシャはガラスの猫に答えました。
「
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