十九匹め
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………ええ、まぁ」
「半信半疑でしたけど、実際に話して理解しましたわ。
それに面白そうじゃないですか」
そっすか。
「ではシラヌイさんの無事も確認したことですし、シェルム先生に報告してきますわ」
「おう帰れ帰れ」
なんか、ボーデンとセンマリカさんって物凄く仲よさそう。
「あぁ、そうだシラヌイさん」
「なんですか…?」
「すこし娘を預かっていただけませんか?」
「は?」
「中身は成人なのでしょう?ならば安心できます。頼みましたよ」
そう言ってセンマリカさんは本当にどっか行った。
メリーちゃんを残して。
「えと、メリーちゃん?」
「ぬいちゃん。しっぽもふもふさせて」
メリーちゃんが抑揚の少ない声で言った。
「うん。それはいいけど何かセンマリカさんから聞いてない?」
「ぬいちゃんは本当は年上だからおもいっきり甘えていいっていってたよ」
「やべぇあの人が某最弱無敗の学園長に見えてきた」
商会のボスだし。巨乳だし。マイペースだし。
メリーちゃんが無表情キャラだから特にそう見えてしまう。
「メリーちゃん。とりあえず座ったら?」
座っていた椅子の隣の椅子を引いてから、元の椅子に座る。
「そうする」
隣の席にメリーちゃんが座った。
「ナポリタン。少し食べる?」
「たべる」
フォークにナポリタンを巻き付け、メリーちゃんに差し出す。
「かんせつきす」
「あ、ごめん。嫌だよね。新しいフォーク持ってくるから…」
「ぁむ……………おいひぃ」
「え?」
「んく…私はきにしない。むしろしてほしい。
きせいじじつ」
待て、何の既成事実だ。
「既成事実って誰に教わった?」
「おかーさん」
五歳の娘に何を教えてるんだあの人は。
「あー」
と口をあけるメリーちゃんにナポリタンをまいたフォークを差し出す。
「ぁむ……むぐむぐ………んく」
あ、これ楽しい。
それを何度か繰り返し、自分の腹もみたしつつメリーちゃんを餌付け(?)した。
「ぬいちゃん。しっぽ」
「はい」
メリーちゃんに尻尾を差し出すとぎゅっと抱き締められた。
「もふもふ…ぬいちゃんの尻尾もふもふ…」
メリーちゃんは僕が前世の記憶を思い出す前にも度々家に来ていた。
尻尾をさわられるのは初めてではない。
それで、メリーちゃんのどこが可愛いかっていうと…
「もふもふ…もふもふ…」
僕の尻尾をもふってる時にうっすらと浮かべる笑みだ。
普段無表情…というか眠そうなメリーちゃんがこの時だけは笑うのだ。
もうね!かわいくてしょうがないですはい
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