カーテンコール2
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たが、ぼこぼこに殴られて仕方なく、泣く泣く履いたのであるが……」
定夫「まだ続きがあるのか」
敦子「すでにお腹いっぱいなんですけど」
トゲ「その姿を見た両親に、『ふざけた格好してんじゃねえ出てけ』、とその服装のまま家を閉め出され、たまたま家の前を通りかかったクラスメイト二人に、『気持ち悪いことしてんじゃねえよ』と石をガスガスぶつけられたのでござる。一個、風呂のガラスに当たってヒビが入ってしまい、親には『お前のせいだ』と怒鳴られて、それから一年間、小遣いなし」
八王「くだらないけど、ものすごい理不尽だなあ」
トゲ「くだらなくない!」
八王「ぼくは、八王子市での中学生活が、とにかく理不尽の連続だったなあ」
定夫「アゴを蹴り砕かれたんだものな」
敦子「それが原因で転校することになったんでしょう?」
八王「そう。親に泣きついて引っ越し志願したんだ。先生も含め、誰もぼくを守ってくれないと絶望したからね。そのアゴ砕かれた件なんだけど、ぼくが一人で大暴れして階段でダジャレ叫びながら頭からダイブしてアゴを打ったことにされてんだよね。そんなわけの分からないことするはずない、と、先生も分かってはいたけど面倒事を大きくしたくなかったんだろうね」
定夫「まあ、それがあり転校し、出会いあり、そして『ほのか』があるわけだが」
八王「いや、いまはほんと、そう思っているよ。あいつらの家に水爆を落としてやりたい、というのと同じくらい」
定夫「どんくらいなのか、よく分からないのだが。逆に」
敦子「レンさんは?」
定夫「高一の冬、ある日のこと、おれは駅のホームに立っていた。白息が真横に流れて、隣のヤクザみたいな男の顔に軽くかかってしまったみたいで、『ふざけんじゃねえよ』って殴られた」
八王「トリが、随分としょぼい話だなあ」
定夫「いいんだよ。で、まだ続きがあってだな、数日後、またホームでその男と会ったんだ。気付いたら隣にいたから、避けようがなかった。おれは慌てたように、やつの裏を回って、立ち位置を前回と逆にした」
敦子「逃げればよかったのに」
定夫「逃げたことにムカつかれて、背中を蹴飛ばされると考えたのだな。で、場所を入れ替えたもんだから、そいつの白息がおれの方にもあーっとかかってきたんだ」
八王「そうなるように位置を変えたんだからね。でもおかげで、殴られなくてよかったんじゃない?」
定夫「いや、殴られた。『このデブ、おれの息を勝手に吸ってんじゃねえよ!』って」
敦子「理不尽……」
トゲ「四人全員が理不尽話を語ったので、では、次のおたよりに参る。今度は、拙者が読むでござる。名老|市の『ふゆなん』さんから。
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