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汝(なれ)の名は。(君の名は。)
01入れ替わり
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 四葉はカタカナ言葉を話し始めたので、周囲の人物にはさらにイミワカンナイ状態。
 NHKのアナウンサー並みの標準語を心掛けないと周囲の人物とは話が通じない。
 さらにシヨウの体には、神憑りになれるように、神経がカクセイしてしまう、ヤバ目のオクスリが沢山投与されているので、一寸落ち着かないと会話もできない。

 しばらく休んで、茶でも何でもない草の味がするような薬草汁を飲ませてもらい、落ち着いた四葉。
 現在はシヨウと言う少女に呼び出されて、この体に宿っているとイチヨウお婆さんから説明された。
(オイコレ、ジョーモンジダイ? ヤヨイ? イズモダッテ? 西暦も元号もネーヨ)
 祖母に似た人の説明では、ここは冬守で、外を見れば湖の大きなクレーターはなかったが、それ以外は失った故郷とバッチリ風景が重なってしまった。
 山の上のクレーターと、隕鉄のご神体はあると聞かされた。
 青銅を磨いた変なチッコイ鏡で顔を見せてもらうと、固いものを食って来たガッツィーな顎と歯はしていたが、見慣れた自分のアホ面だった。
 シヨウのような、目つきが悪い野良猫か山猫のようなキッツイ顔立ちをしておらず、ユルい飼い猫顔。
 但し、お婆さんと同じく顔にまで入れ墨があり、腕にも腹にもご神託を降ろす巫女として入れ墨まみれ。
 とりあえず自分は死んでおらず、あの世の祖母と再会しているのではないと聞かされて納得した。

「あ、あの、アタシは宮水 四葉(よつは)と言って、冬守にある宮水神社の娘です。2018年の未来から来ました。西暦だよ、平成だと30年、皇記だったら起源〜は2600年?2700年?」
「「「「「おお〜〜」」」」」
 出雲の神でも大国主命でもなかったが、未来の国から来たと言った四葉。
 他の者は気付かなかったが、西暦や皇記と言ったのを一葉(イチヨウ)は聞き逃さなかった。
「その、セイレキとかコウキとは、どこの暦じゃ?」
「え? 西暦はキリストさんが生まれた年から数えてる西洋の暦で、平成とか皇記は天皇制の暦だよ、お祖母ちゃん」
「なんとっ!」
「戯けたことを抜かすなっ、シヨウッ!」
「出雲の神の暦では無いだとっ!」
 祖母も驚き、周囲からも怒号が飛ぶ。
「だって、本当の事だから仕方ないじゃん」

 その後の問いにも、日本は天皇制で、一度も国号が変わらず万世一系で、北海道(蝦夷地)東北(蝦夷(えみし))から九州(クマソ)、沖縄(琉球)まで全て日本で、天皇家は政治から離れていて、議会制民主主義で統治されていると答えた。
「我らは朝廷に下り、奴隷のように使われるのか?」
「終わりじゃ、もう冬守は終わりじゃ」
 長老や豪族たちも(こうべ)を垂れて、自分たちの里が終わったのを知らされ、愕然としていた。
「いやあ、アメリカに戦争で負けても、天
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