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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
序章 新朝始歌
第二十六話 夫妻愛憎
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ずしわが寄っている。悪い悪い、そろそろ真面目な表情に戻すので許してくれ。
「そうだな、まずはアンドラゴラスが王妃タハミーネにした説明から話そうか。タハミーネが産んだ子は女の子だった。パルスでは王女に王位継承権がないからな。だからアンドラゴラス王は生まれた娘を何処かへと捨てた。意外にも母親としての情愛厚いタハミーネとしては、アンドラゴラスのことをさぞや恨んだことであろうな。そして更にアンドラゴラスは何処かから連れてきた男の赤ん坊をタハミーネが産んだ子として育てさせた。それがアルスラーンと言う訳だ。タハミーネとしてはアルスラーンを可愛がる気になんてなれなかったろうさ」
「…それで母上は私のことを…。ラジェンドラ殿、それでその女の子は一体何処へ?」
「その行方についてはアンドラゴラスは口を閉ざしている。しかし、子供が産まれたのと同時期に各地の寺院に三人の女の赤子が銀の腕輪と共に捨てられていた。その腕輪が、そこの三人娘が身に付けているものだ」
その場に居合わせた全ての者の視線が三人娘の腕輪に集中する。その視線は更に彼女たちの顔に移り、そして得心したかのような空気が漂い出した。まあ、当の三人娘は既に真実を知っているから、どこ吹く風、といった風情だが。
「な、なるほど、確かにパリザード殿は全体的に陛下と似た雰囲気がある。レイラ殿の目鼻は陛下と似ていて、輪郭は王妃様に似ている。そして、フィトナ殿はどことなく王妃様に似ておられるような。と言うことは、この三人のいずれかが国王夫妻の娘御なのか、?或いはまさか三人ともがか?」
キシュワードは名門武家の生まれだと言うからな。ミスル国境やペシャワールに赴任する前にはアンドラゴラスの側に仕えていたこともあるのだろう。それで国王夫妻の顔立ちを鮮明に記憶している、と言うことがあるのかもしれない。
「と、思うのも無理は無いがね。しかし、この三人は三人ともが、国王夫妻の血を引いてはいない。そのことは確かに確認されている」
「馬鹿な、そんなことが何故判る!どうやってそんなことを確かめるというのだ?」
そんなキシュワードの言葉に答えるかのようにレイラがごく控えめに挙手をした。
「それについては医者である私からお話しましょう。余り知られていないことですが、人の体内を流れる血には幾つかの種類があります。怪我などで大量に血を失った場合、同じ種類の血で補うことが出来ますが、違う種類の血で補おうとすると逆に命取りとなります。…ここまではよろしいでしょうか?」
「…ああ、初耳ではあるがそういうものかもしれないな」
「おや、お主でも知らぬことなどがあるのだな、ナルサス?」
「…ダリューン、お主は俺を何だと思っているのだ?俺とて人の子だからな。人並みよりは知っていたとしても、決してそれ
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