第一部 少年たち
第四章
建設
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ょうど、日が沈みかけている。空はオレンジ色に染まっている。そこからは、アーコロジーを見渡すことができた。
「ここに何人の人を匿えると思う?」
「この広さからだと100人ぐらいですか?」
「いや、その50人ぐらいだ。さて、その50人のために何人の犠牲を払うと思う」
犠牲という言葉に反応して、戸惑う。
「答えは、平均して3人だ。この数字が多いと思うか少ないと思うか?」
「……多いと思います」
「そうか。この計画は、上層部にあたる本部の奴らからはすごく批判を受けている。それもそうだ。なんでもない人を今日なゴッドイーターを減らして助けるんだからな。この意味が分かるか」
「わかりません」
「素直はいいことだ。つまり……」
森の方から大きな爆発音が鳴る。音のする方を見ると土煙が空高く舞い上がり、鳥たちが逃げていく。
「ちっ。また来やがったか」
カンは、慣れた手つきで無線で連絡を取る。
「こちらカン、第3班応答せよ。なにがあった」
雑音の後に無線に連絡が入る。
『こちら第3班、最近出没中の例のアラガミに遭遇。撤退中』
「わかったくれぐれもこっちらに立ち入れぬよう、細心の注意を払え」
『了解』
通信を切り、森の方をみていると、下から他の作業員が上がってくる。
「隊長、どうやら例のアラガミは、シユウの感応種と予想されます」
「なに、感応種だと。厄介なアラガミがどうしてこの地にやってきた。事前調査に問題があったのか。どちらにせよ感応種が相手となると応援を要請するしかないな。至急、極東支部へ連絡をし、対策を練る」
作業員は啓礼し、下に降りていく。
「感応種ってあの感応種ですか?」
「あのがどのことかはわからんが、そうだと言っておこう。感応種についての知識はあるだろう?」
「はい、通常の神機使いでは手も足も出ない。遭遇したら撤退するようにと言われています」
「奴らの放つ偏食場パルスの影響で神機の制御不全に陥る。コントロールの上手い神機使いでも、戦力としては半減するといわれている」
カンは腕を組み森の方角を見る。
「明日にはアリサも戻ってくる。そしたら作戦を立てる。それと極東とブラッドに応援を呼ぶか」
カンは深いため息を吐く。次に自身の顔を両手ではたく。
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