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空に星が輝く様に
420部分:第三十二話 誠意その三

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第三十二話 誠意その三

「つきぴーもわかって」
「うん、それでなのね」
「そうしていって。じゃあ」
「もうそろそろね」
 月美は目の前の車窓の風景を見て言った。そこに見えるのは彼女がいつも見ている学校の傍の風景だった。それを見てであった。
「駅ね」
「うん」
「駅に降りたら」
「つきぴーは居合部で」
「愛ちゃんは天文部ね」
「斉宮もいる」
 椎名はまた彼の名前を出した。
「そうね」
「ええ、絶対にね」
 月美は微笑んで話した。
「剣道部も部活あるから」
「じゃあそれが終わったらまた」
「デートよね」
「それも楽しんで」
「有り難う」
「私はその時にはもう帰ってるだろうけれど」
 しかしだった。椎名は何気にこうも言うのだった。
「二人で」
「二人でって?」
「私もデート」
 椎名流の自己主張が為された。
「それ楽しむから」
「愛ちゃんも楽しんでるのね」
「恋は真剣に楽しむもの」
 またしても椎名のポリシーだった。
「それも一途に」
「一途になのね」
「そうでないと面白くない」
 こうも言う彼女だった。
「歌に生き愛に生き」
「その言葉は確か」
「そう、オペラ」
 そこからだというのだ。
「トスカってオペラから」
「そうよね。プッチーニよね」
「トスカみたいに一途に生きる」
 その題名の歌があるオペラだ。トスカはそのオペラのタイトルにもなっている。プッチーニの代表作の一つでもある名作である。
「そうしたいから」
「何か愛ちゃんって」
「私?」
「うん。恋愛にも真面目だったのね」
「私は何に対しても真面目」
「そうなのね」
「そういうこと。じゃあ」
 椎名が先に席を立った。駅に着いたのだ。
 そして席に立ってからだ。月美に声をかけた。
「行こう」
「ええ。それじゃあ学校にね」
 二人は一緒に学校に向かった。そうしてそれぞれの部活を楽しむのだった。
 そしてだった。その二人の乗っていた電車の後にだ。
 別の駅から八条学園に向かう線に面している駅でだ。彼女達がいた。
 そのプラットホームでだ。顔を見合わせて話をするのだった。
「それじゃあね」
「ええ」
「今からよね」
 橋口に州脇、椎名だった。三人が覚悟した顔でそこにいた。
 プラットホームは休日だが人が多い。大半は制服である。
 中には八条学園の制服もある。その様々な制服がだ。その中でだった。
「学校に行ってそれでね」
「斉宮のところ行ってそうして」
「言わないとね」
 こう話すのだった。

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