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ロボスの娘で行ってみよう!
第71話 ワイドボーン囮艦隊 
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盟領 ティアマト星系

喧々諤々の会議の後、一旦帰投を開始し始めていた帝国軍遠征艦隊の星系外縁に派遣していた偵察艦が星系へ接近してくる3万隻ほどの艦隊を発見したのは3月15日午前8時の事であった。直ぐさま本隊へ連絡が行き帰投を中止し迎撃戦を行う事が決定した。

ミューゼル艦隊旗艦タンホイザーでは、ラインハルトの話しをキルヒアイスが聞いていた。
「ようやく敵のお出ましか。しかし3万隻とは、敵の動員に齟齬があったとフェザーンからの情報が有ったが事実かも知れないな。しかし3万隻もあれば武勲の立て甲斐が有るというものだ。此で大将に昇進出来るな。キルヒアイスお前も中佐に昇進だ」

「ラインハルト様、戦いは水物と言いますので、些かお気が早いかと」
「そうだな」

その様な話の最中、総司令部より敵艦隊が急速に星系外へ後退していくとの連絡が有った。
「キルヒアイス、敵の後退どう思う?」
「そうですね。些か早すぎるかと思います。確かに敵は我が軍より少数ですが、戦えない数ですは有りません。引くにしても一戦交えた後でも可能でしょうが、よほど慎重な指揮官なのか。それとも罠かと思います」

「キルヒアイスもそう思うか、俺もだ。敵の指揮官は代理のボロディン大将だ遠慮があるのかも知れないし前任の無能者コーネフの二の舞は嫌だろうからな。しかも参謀にあのワイドボーン准将とヤン准将が居るのだから、益々怪しいな」

「総司令部にその旨を注進致しますか?」
「止めておこう。その位判らないのならメルカッツもメックリンガーもたいした奴じゃないわけだからな」
「はぁ」


ビッテンフェルト艦隊旗艦シュワルツティーゲル艦橋では、ビッテンフェルト提督が直ぐさま追撃だと叫んでいた。

「敵がやっと来たんだ、此処で追撃しないわけがないだろう!」
「閣下、未だ総司令部からの命令が来ておりません」
「直ぐに追撃の命令が来るはずだ!」


メルカッツ艦隊旗艦レーゲンスブルクでは、宇宙艦隊司令長官メルカッツ提督と総参謀長メックリンガー中将が敵の動向について話し合っていた。

「総参謀長、敵の動きだが、余りにあからさますぎるな」
「そうですね、恐らくはダゴン星域へ引きずり込むつもりでしょう」
「そうなると、このまま暫く待機後にイゼルローン要塞へ帰投すべきだな」
「はい」

その様な話し合いをぶちこわす事が直ぐに起こったのである。

「メルカッツ提督、大変です」
副官のシュナイダー少佐が慌ててメルカッツの元へやって来た。
「どうしたのか?」

「エルラッハ分艦隊が勝手に敵艦隊を追っていきました。それに影響されビッテンフェルト、ブラウヒッチ艦隊も追撃に加わっています」

「総参謀長、不味いな。混成艦隊の弱みが出たか。直ぐさま帰投命令を出さね
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