第71話 ワイドボーン囮艦隊
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す」
リーファの答えにモンシャルマン中将も納得したように頷いた。
「なるほど、贅沢は出来ないと言う訳だ」
「はい。そうなります、我が軍はどんな手を使っても市民の生命財産を護らねば成りません、その為なら無人で資源もないティアマト星系など一時手放しても,どうせ敵は恒久占領など出来ないのですから、撃退後ゆっくりと取り返せば良いだけなのです」
「確かにそうじゃな、近頃の若い者は武勲を上げたがる気合いがあるからのー」
ビュコック提督が、コーネフやホーランドのことを言っていると参加者達は直ぐに判った。
「総参謀長代行、敵が帰らない場合はどうなさるのですか?」
ワイドボーンがニヤニヤしながらリーファを試す。
「その為に、ウランフ提督の第10艦隊と哨戒中のルフェーブル提督の第3艦隊をアルレスハイム星域へ向かって貰ったのですから。敵がティアマトで駐留し続けるのであれば、アルレスハイムからイゼルローン回廊を狙う振りをさせ、慌てて帰投する敵を追撃すれば良いわけですし、それでも動かない場合は金床と鉄槌で揉み潰せば良いわけです」
「なるほど」
「それに、敵は恐らく武勲を上げたい連中と慎重に行きたい連中で葛藤中でしょう。其処で更にスパイスを利かします。一個艦隊をティアマト星系へ近づかせ敵偵察艦に視認させて全速力で遁走させます。そうすれば敵は益々、内部で喧々諤々するでしょう。そのままメルカッツ提督が帰投を主張すれば進撃派の提督との間に亀裂が生じるでしょうし、進撃すれば袋のネズミに出来るかも知れません」
「なるほど、釣りのルアーだと言う訳か」
「其処で、逃げるのは定評のあるワイドボーン准将と一緒にヤン准将も一寸行ってきて下さい」
「総参謀長代行」
まるで近所のコンビニにでもお使いにいってきてくれと言うような軽さでリーファがワイドボーン達にティアマトへの進撃を頼んだ。
「判った。行って敵さんを引っ張れば良いんだろう」
「そうですけど、戦う必要は有りませんから。敵の偵察艦に会ったら一目散に逃げてきて良いです」
「それじゃ、罠だと言っている様なものじゃないか?」
「良いんですよ。それでもOKですから、今の我が軍には小競り合いで兵力を減らすほど贅沢は出来ませんからね」
「判った」
「総司令長官代行、此で宜しいでしょうか?」
リーファの問いに、ボロディン大将とコナリー中将は苦笑いした顔を見合わせながら、了承の返事をする。
「その作戦で良い。ワイドボーン准将、ヤン准将。決して無理をしないようにな」
「「はっ」」
その後電子欺瞞装置を満載したワイドボーン准将、ヤン准将の率いる旗艦艦隊5000隻がティアマト星系方面へと出発していった。
宇宙暦795年 帝国暦486年 3月15日
■自由惑星同
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