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ロボスの娘で行ってみよう!
第71話 ワイドボーン囮艦隊 
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司令長官と邪推していた。

概ね会議はビッテンフェルトの進撃論とケスラーの慎重論に二分されていた。

ラインハルトにしてみれば武勲の立てどころであるかからこそ進撃論に傾いていたが、喧々諤々の会議を冷ややかに眺めているだけで自分の意見を言わずにいた。

ビッテンフェルトが“このまま撤退すればメルカッツ提督の名声に傷が付く”と発言すると、会議をジッと聞いていたメルカッツ提督が話し出した。

「小官の名誉など別に傷つこうと構わんよ。我々の目的はこの艦隊の将兵を少しでも多く家族の元へ返してやる事だ。その為にむやみな進撃を行うよりは、一端引いても敵情を把握し再進撃を行うべきだ。卿等の考える事は判るが、今は我慢して貰いたい」

メルカッツ提督の真摯な言葉に進撃派、慎重派共に関心し一旦イゼルローン要塞まで後退した後敵情把握を行う事に決まったのであるが、やはり燻っているのは進撃派であった。その焦りが思わぬ事態を招く事になるのである。



宇宙暦795年3月12日

■自由惑星同盟 ダゴン星域

ハイネセンを出撃後、シャンプール泊地で補給を受けた同盟艦隊はダゴン星域に集結し工兵部隊と共に罠を張りながら時折偵察艦隊をティアマト星系方面へ発しながら帝国軍の動向を注意深く探っていた。

迎撃艦隊旗艦ペルーン会議室では宇宙艦隊司令長官代行兼第12艦隊司令官ボロディン大将が総参謀長代行のリーファ・L・アッテンボロー准将と第12艦隊参謀長コナリー中将と共に作戦を参加者達に説明していた。

「今回の帝国軍の遠征は実にくだらない事に、皇帝フリードリヒ4世の在位30周年の記念式典の景気付けに決まったわけだそうですから、我々にしてみれば甚だ迷惑な事です。記念なら記念の硬貨や切手セットでも出せば後々プレミアムが付くものを」
リーファの呆れたような言いように、多くの参加者が苦笑し始める。

「迷惑とは言え、敵が来る以上は迎撃せねば成ら無い訳ですが、ティアマト星系で迎撃しない訳はどう言う事ですか?それに帝国軍は再編成の真っ最中です。それを叩けば再編成を遅らせる事も出来る出はないでしょうか?」

疑問に思ったのであろう、第5艦隊参謀長モンシャルマン中将が質問してくる。
その言葉に幾人かの将官が相づちを打つ。

「確かに中将閣下の仰る通りですが、ティアマト星系での殴り合いでは前回の第3次ティアマト会戦の二の舞になりかねません。無論当方参加艦隊の練度、士気を危惧しているわけではありません。しかしスポーツ大会では無いのですから、正々堂々正面決戦をしてやる必要は有りません。同盟は帝国に対して人口が100億の差があります。つまり敵と同数の被害ですと同盟の人的被害は倍増している訳です。つまり同盟軍はチェスに例えればポーンでキングを取らなければ成らない訳で
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