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3章 穏やかな日々
22話 将来の旦那さん?Part2
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 おびえながらも、それを隠すように、髭面の男が声を上げる。腰につるした両手剣を引き抜いた。



「お、おい、近寄んじゃねぇ!」


 だが、その剣はあっけなく、ツカサの槍によってはじかれ、そしてその切っ先はそのまま男の耳のすぐわきを通り、後ろの壁に突き刺さる。


「おい、お前…殺されたいか…?」


 ささやくような小さな声。だが、それは圧倒的密度で男の聴覚を揺さぶり、そして、意識を失わさせるには十分だった。


 ツカサは男が意識を失ったのを確認し、男の両手剣と、ピアスの男の両手剣をヴェンデッタで破壊する。その作業をしてから、少女のほうに向きなおった。


 少女は、体を起こして、こちらを見ていた。少女を見て、顔には出さなかったが、内心少々驚いた。彼女の左半分の首に、赤くただれたような跡があったのだ。あれは恐らく、やけどの跡。リアルで何かあったのだろう。ツカサは一つ息を吐くと、少女にゆっくりと近づいた。



「…怪我は、ないか?」

 ある程度距離を開け、目線を合わせるためにしゃがみこんだ。


「あなたは…?」


 震えるか細い声で、少女は問う。

「俺はツカサ。サーシャさんに頼まれて来たんだ。…ミカ、だよな?」


 こくり、と少女…ミカは頷いた。恐らく、サーシャとつながりがあると知って安心したのだろう、安心したような表情を見せ、そして…ツカサにはよくわからない、ひどく熱っぽい色が瞳に浮かんでいた。

 なんだろう、と思うが、そのことは口には出さなかった。


「…帰ろう、サーシャさんが待ってる」


 そういって、手を差し出しミカを立ち上がらせた。




―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―




「ねーねー、姉ちゃん、今日は何してたの?」
「なんか面白い冒険の話、聞かせて!」
「悪いやつ、やっつけた話してよ!」
「迷宮区ってどんな感じ?」


 次から次へと途切れることがない子供たちからの質問の相手をしながら、リアは教会の台所に立ち、彼らのために夕飯を作っていた。今日は子供たちが大好きなシチューだ。そろそろ寒くなってきた今にぴったりだろう。

「ほらほら、一人ずつじゃないと答えられないよ?」

 そんなふうになだめている時だった。入口のほうから騒がしい声が聞こえた。すぐに聞き耳スキルを発動したが、その耳がとらえたのは高速で走り去る誰かの足音のみ。ここまで一つ一つの足音の間隔が狭く走れるのは一人しかいない。


「どうしたんですか!?」

「リアさん!」

 キッチンのほうから大広間に入ってみると、中には取り乱してオロオロするサーシャ、その隣には今にも泣き
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