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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第2章 鬼神の目にも涙編
Story 17 尻尾の掴み合い
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理解が追いつかないミラはそっちのけで、リサーナとエルフマンは嬉しそうに顔を見合わせると、

『アニマルソウル、キャット!』
『ビーストソウル、くま!……手だけ。』
『えっ!?』

ポンッ!と音を立ててそれぞれ白い猫と茶色いくま(ただし手だけ)に姿を変えてみせた。突然すぎる思わぬ出来事にミラは短く驚嘆の声を上げた。

『イブキに教えてもらったんだ。ミラ姉と同じ魔法だよ。』
『俺はまだ、手しか出来ないけど。』
『お前が……。』
『コイツ等がしつこくせがってきたから仕方なくな。』
『………。』

イブキは若干恥ずかしそうにミラから目を逸らしながら言う。
薄っすらとミラの両目に涙が浮かぶ。

『私達は3人はいつも一緒だよ!』
『だから、魔法も一緒だ!』

ミラの顔を覗き込みながらリサーナとエルフマンは言うと、

『わっ!あ、あれ?あれ……?まだ上手くいかないよー!』
『わーっ!俺もだーっ!』
『おいおい、あれほど油断するなって言っただろーが。』

ポンッ!と音を立てて猫から子豚、くまの手から馬の手に変わってしまい、まだまだ魔法初心者だということがバレバレだ。2人の様子を見てイブキがまたため息を吐いた。

『ぷっ……。』

そんなやり取りにミラは小さく吹き出すと、

『そんな魔法で、ギルドの仕事熟せるのかよ。』
『姉ちゃんがその力で俺達を守ってくれたように、今度は俺達が姉ちゃんを守るよ。』

涙を拭いながら言うミラの目を真っ直ぐ見つめ、エルフマンが意を決したように言った。

『ほらな、言っただろ?』

一人頭の後ろで腕を組みながら、ギルドに向かって歩き出そうとしたイブキがミラ達に背を向けたまま口を開いた。

『誇りに思えよ。その力を……その“魔法”をな!』



握る拳に力を込める。

「イブキは今まで、自分の力で……“魔法”で、ちゃんと大切なものを守ってきたのよ。だけど、ちょっと守りすぎちゃって、自分の事を疎かにしてたのね……。私、イブキにずっと勇気付けられてきたのに……まだ、何も…返せてないのに……!」
「ミラさん……。」

ルーシィはミラの震える肩に手を置くことしか出来なかった。

「おいじっちゃん!何でイブキの呪いのこと知ってて俺達に何も言ってくれなかったんだよッ!?」

バン!とカウンターを勢いよく叩きつけながらカウンターに腰掛けるマスターにナツは詰め寄る。

「これはイブキの意志じゃ。イブキ自身、「誰にも言うな」とワシに言ってきたのじゃから、ワシがとやかく言うことは出来ん。」
「随分水臭ェじゃねーかよ。」

首を振るマスターの言葉に、グレイを苦虫を噛み潰したように顔をしかめる。

「約束、じゃからな……。イブキの奴が完全に鬼と化し、人間
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