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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第2章 鬼神の目にも涙編
Story 17 尻尾の掴み合い
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のレンズの部分にはくりんとした2つの目がちゃんとある。

「さてミヅキ、この僕に今度は何用だい?」
「実は、この図書館の景色を最初の時に戻して欲しいの。」
「んー?でも、さっき変えたばかりじゃないかい?」
「それは、とある人を騙す為だったの。もうその人を騙し終えちゃったから、公共の場であるここをきちんと元に戻しておかないといけないの。」
「ふむふむ、なるほど☆そんなこと、ミヅキの為ならお安い御用さ☆」

そう言うと、テレスコープは図書館全体を見回すように視線をぐるりと一周させる。そして、

「スコープ・チェンジ☆☆☆」

テレスコープの頭であるレンズが金色に光る。
それと同時に大量の魔法書と本棚で埋め尽くされた魔導図書館の館内全体も金色に光り出す。あまりの眩しさにミヅキは思わずギュッと目を瞑り腕で顔を覆う。

「ミヅキ☆スコープ・チェンジ、完了だ☆」

テレスコープの声が聞こえ、ミヅキは目を開ける。
目の前の景色は変わっていないように見えるが、よく見ると魔法書の位置は全て移動させる前のものになっている。空気が澄んでいたはずの図書館が埃っぽくなっていることと、先程までミヅキとバンリがいた、図書館の上の方にあったはずの魔法書が下の方の棚に移動しているのが証拠だ。
望遠鏡座の星霊テレスコープは、レンズに捉えたものの時を瞬時に変えることが出来る能力を持っている。今回は図書館の館内の時を少しだけ未来に動かし、魔法書が移動した時の中でバンリを騙していたのだ。さすがのバンリでさえ「図書館の中の時が進んでいる」だなんて気づくことは出来なかった。

「これでいいのかい?」
「うん、バッチリ!ありがとう。」
「ハッハッハー☆僕にかかれば朝飯前さ☆」
「本当にありがとうね。」

テレスコープとペガシスにお礼を言うと、ミヅキは改めて館内をぐるりと見回す。

「ミヅキ、どうしたんだい?」

黙り込んだミヅキを見て、テレスコープが派手な動きを交えながら尋ねる。ペガシスもその隣でミヅキの顔を覗き込む。

「あ、大したことじゃないんだけど……。」

ミヅキは言葉を慎重に選びながらゆっくりと口を開く。

「もし、妖精に尻尾が無かったとしたら……尻尾がある妖精は、いったい何なのかな、って。」

ミヅキの問いにテレスコープとペガシスは顔を見合わせ目をパチクリさせると、

「尻尾が無いのが“妖精”と呼ぶなら、尻尾があるのはきっと妖精に化けた“悪魔”だと僕は思うよ☆」

テレスコープが大袈裟に身振り手振りをつけながら言う。テレスコープの意見に同意するように鼻を鳴らしながらペガシスも頷く。

「もちろん、その反対も有り得るだろうね☆」
「反対?」
「尻尾があるのを“妖精”と呼ぶなら、尻尾が無いのを妖精に化けた“
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