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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第2章 鬼神の目にも涙編
Story 17 尻尾の掴み合い
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詳しいことは話してくれなかったよ。」

ケイトの問いにミヅキは答える。

《まぁ、彼が「ギルドの問題」って言った時点で、古代の解除魔法が悪用されることはまず無いし、()()()とも関係無さそうだね。》
《そのようだな。》
「だね。あーぁ、せっかくあの男の()()()()()絶好の機会(チャンス)だと思ったのに。」

ルギアルの言葉にケイトとミヅキは揃って同意し、ミヅキは続けて唇を尖らせながら不満を零す。

《また機会(チャンス)が巡ってくるはずさ。それにしても、まさか魔導図書館の魔法書を全て移動させるなんてね……。》
《もう少しマシな方法はなかったのか?》

魔水晶(ラクリマ)越しに聞こえる二人の言葉にミヅキは再び唇を尖らせた。

「だって、あのバンリ・オルフェイドのことだから一度でも目を通したことのある魔法書の置き場所を的確に覚えているだろうから、あっという間に探していた魔法書を見つけて去っちゃうに決まってるでしょ?せっかくの機会(チャンス)が台無しにする訳にはいかないから、魔法書を全て移動させるしかなかったんだよ。」

………そう。
大掃除によって全ての魔法書が移動された魔導図書館は、ミヅキがバンリと接触するためだけに予め整えていた大胆すぎる“設定”だったのだ。

《だからって、「大掃除」はどうかと思う。俺だったら、そんな面倒なことをするより真っ先に聞きに》
「仕方ないでしょ。もぉ、そんなに言うなら最初からケイトが来ればよかったじゃない!」
《ルギアルがミヅキに頼んだことだからな、俺がとやかく言う資格は無い。》
「もうすでにいろいろ言ってる気がするんだけど?」
《まぁまぁ二人とも。》

珍しく言い争いを始めた二人のやり取りを肩を震わせて(はた)から微笑ましげに見つめながらルギアルが宥める。

《とりあえずミヅキ、お疲れ様。俺のワガママを聞いてくれてありがとうね。更に詳しいことは帰って来てから聞くことにするよ。》
《魔法書は全てきちんと元あった場所に戻しておけ。お茶を淹れて待ってるから気をつけて帰るんだぞ。》
「はーい。」

そう言うと魔水晶(ラクリマ)を切り、再びポーチに仕舞う。代わりにポーチから銀色の鍵を一本取り出すと、

「開け、望遠鏡座の扉……テレスコープ!」

床に銀色の魔法陣が浮かび上がり、鐘の音と共に姿を現したのは、ミヅキの膝丈ほどの背丈の、人間の胴体に頭が望遠鏡の星霊−−−テレスコープだ。

「やぁミヅキ☆久しぶりだね☆」
「って言っても、ほんの数時間前だけどね?」

星が飛びそうな勢いでウィンクを決めながら、テレスコープはその場で妙なポーズを決める。
鼻と口はないが喋ることは出来るし、頭の望遠鏡
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