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空に星が輝く様に
418部分:第三十二話 誠意その一
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第三十二話 誠意その一

                   誠意
 土曜日の朝だ。椎名は月美の話を聞いていた。土曜なので学校は休みだがそれでもだ。二人は制服姿で電車の中で二人並んで座っていた。
 そのうえでだ。月美は椎名に対して問うのだった。
「愛ちゃんも登校するのね」
「うん」
 その通りだとだ。こくりと頷く椎名だった。
「そうなの」
「部活でよね」
「そう。天文部」
 彼女のいる部活だ。そこのことであった。
「そこに行くの」
「夜だけじゃないのね」
「実は夜は各自の自由研究で」
 それが椎名のいる天文部だというのだ。そうした活動をしているのだという。
「昼は各自がその研究を見せ合うの」
「それで今日もなのね」
「そう。私は私の研究を出すから」
「何かそれって面白そうね」
「そう、面白い」
 実際にそうだと答える椎名だった。
「つきぴーにもお勧め」
「ううん、けれど私は」
 椎名の勧めを受けてもだった。月美は弱った微笑みで述べたのだった。
「居合部があるから」
「それに専念したいのね」
「御免なさい」
「謝るのはいいから」
 ここでもそれはいいという椎名だった。
「謝罪は本当に必要な時だけでいい」
「そうなのね」
「そう。それでだけれど」
 ここでだった。椎名は月美に対して少し強い声で言ってきた。
「注意するのは」
「注意って?」
「そう、人に謝罪しろとか言い立てる奴」
 声にだ。明らかな嫌悪がこもっていた。
「そうした奴は気をつけないといけない」
「そういう人もいるの」
「いる。そうした奴は大抵自分は絶対に謝らない」
「それで人にはそれを強いるのね」
「こういう奴は絶対に人間の屑だから」
 断言であった。
「付き合ってもいけない。何があっても無視すべし」
「そうしないと駄目なの」
「害虫は駆除すべし」
 極論だがそれをあえて言うのだった。
「駆除できないと無視すべし」
「ううん、そうした人がいるにしても」
「見分け方ね」
「そうそうすぐにはわからないわよね」
 月美の言葉と考えはそれであった。
「そういう人かどうかって」
「そう。けれど」
「けれど?」
「付き合ってみてどういう人か見極めるのも大事」
「時間がかかりそうね」
「実際にかかる」
「やっぱり」
 月美も椎名のその言葉を聞いて納得する。彼女にしても人を見極めるには相当の時間と努力が必要なのをわかっているからである。
 そしてだ。椎名の言葉は続く。
「しかも見極めたと思っていても」
「不十分だったりね」
「するから」
 こう話すのだった。
「こんな奴とはって思ったりするから」
「人間って難しいのね」
「一番わかるのはここぞっていう時」
「ここぞって?」

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