暁 〜小説投稿サイト〜
空に星が輝く様に
417部分:第三十一話 夜の港でその十二

[8]前話 [2]次話

第三十一話 夜の港でその十二

「それでだけれど」
「それで?」
「そのこと、何とかしないと駄目よ」
 切実な顔になってだ。姉に話してきた。
「お姉のしたことは。何とかね」
「何とかなの」
「そう、そのことは絶対に何とかしないといけない」
 強い顔でだ。こう姉に話し続ける。
「そう思うけれど」
「私のしたことを」
「それでだけれど」
 そしてだった。星子はその言葉をさらに続けるのだった。
「先輩達も」
「私達もよね」
「やっぱり。そうなるよね」
「一緒にしたから」
「そう思います」
 言葉は強い。しかし顔は俯いてしまっている。それが今の星子だった。 
 だがそれでもだった。星子は言うのだった。
「先輩と。その」
「西堀ね」
「あの娘にもなのね」
「謝らないと」
「具体的にはそうしないといけないと思います」
 まだ俯いているがだ。星子は言うのだった。
「どうされますか、それで」
「私達は。もう」
「そうよね」
「自分達がしたことだし」
 それでいいというのだった。彼女達はそれでいいというのだった。
 そしてだった。星子は次は姉に対して問うのだった。
 彼女に顔を向けてだ。そのうえで問うたのだ。
「お姉は?」
「私は」
「そう、お姉はどうするの?」
 姉に対して問う。
「どうするの、何とかしに行く?」
「そうね」
 星華もだった。彼女もまた。
 小さくだが確かにだ。こくりと頷いたのだった。
「そうさせてもらうわ」
「わかったわ。それじゃあね」
「ええ。じゃあ」
「明日土曜だから」
 好都合だった。彼女達にとってはだ。
「先輩のところに行こう」
「明日なのね」
「もうすぐになのね」
「行くのね」
「こうしたことは早い方がいいと思います」
 これが星子の考えだった。
「ですから」
「わかったわ。それじゃあね」
「そうしよう」
「そうね」
 三人も頷いた。そして星華もだった。
 彼女もだ。俯きながらも。それでもだった。
「そうするわ」
「ええ、じゃあね」
 こうしてだった。星華は何をするのかが決まったのだった。星子がそれを導いてだった。そのうえでのことだったのだ。


第三十一話   完


                2010・12・3

[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ